この怖い話は約 3 分で読めます。
おいおい、やばいだろこれは…
そう思った俺はすぐにA兄に、ここは一体何なのか問い質した
「この家なんなの? この辺って住所■■だろ? 呪なんて地名聞いたことないし、
洒落になってねーよ」
俺に言われて、A兄は爺さんから聞いたという話を語り始めた
以下、さすがに細かくは覚えてないので要約だけ書くと、
・この近辺はA兄の爺さんが子供だったころ(つまり昭和初期ごろ?)、ある一族が何世帯か住んでいた
・その一族は何か独特の宗教のようなものを信じていて、その宗教の呪術の類を使って
占いやお祓いなんかをしていた
・しかしその一族の人間は次々に死んで、最後には誰もいなくなった
・その一族の住居は大半は戦後の宅地開発で付近の道路や宅地に変わってしまったが、
今でもこの山の中にいくつか残っているらしい
155 本当にあった怖い名無し 2007/05/25(金) 05:15:34 ID:YqmY+fAJ0
というようなことだった
「だから俺も、こんな気味悪い地名のことなんてわからん。一昨日見つけた時は
こんなとこまで見なかったからな。帰ったらじいちゃんにでも聞いてみるか」
「そうか…でもなんかここやばいって。遊びで来ていいような場所じゃない気がする」
実は俺は雰囲気くらいでなら霊を感じられる程度の、ごく弱い霊感ならあるんだが、
この場の雰囲気が、どんどん気持ち悪くなっていっているような気がしていた
俺は帰ろうと提案したんだが、AとA兄はせめてこの家を一周見て回ると聞き入れず、
運転者のA兄がいなければ帰れない俺たちは、しぶしぶそれに同意した
そしてみんなで一塊になるようにして、家の裏に回りこんだ瞬間、
俺は全身の毛がぞくぞくぞくっ!!と逆立つような感覚に襲われた
目の前には小さな濁った沼があった
やばい!!
ここはやばい!!
空気だけで、明らかに危険な何かがいることがわかった
どこからか、おおおおぉぉぉぉおぉぉ…とか、ううぅぅぅぅ…とかいった低い声も聞こえてくる
「この沼絶対にやばいって! ほら、帰ろう!! つーか、俺一人でも帰るからな!」
俺が余りにテンパるので、情けないことに一緒にいた女の子まで「大丈夫…?」と俺を心配しだす始末
でもそこまでなってようやくAもA兄もわかってくれたのか、俺たちはすぐに山から降りて、
A兄にそれぞれの家まで送ってもらった
山から降りても、車に乗ってる最中も、ずっとさっきの声が聞こえていた
苦しそうなうめき声、とはちょっとちがう
感情も何も感じない、ただ低い声
俺はわざと大きな声で全然関係ない話を始めたりとかして、気を紛らわせた
俺を家まで送って別れるときに、AとA兄は
「お前は来ないだろうけど、俺たち今度もう一回あそこ行ってみるわ。何か面白いものあるかもしれんし」
などと言って笑っていた
俺はあそこはやめたほうがいいと再度忠告したが、でも結局行くんだろうな、とは思っていた