宗教
地下のまる穴

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13 地下のまる穴6 sage 2011/12/16(金) 10:20:07.44 ID:s+XHJkPg0
Bが「ヤバイ…近づいて来とるで…どうする?」とかなり慌てた感じで
言っていました。私も内心は心臓がバクバクしながら「コッチに来るとは限らんし、
来そうなら隠れよう」と言いました。しかし確実に足音は私たちのいる
トイレに近づいてきていました。

その時Bがいきなり階段ではない他の大便の個室の扉に手をかけました。
しかし開きません。隣の個室もなぜか開きませんでした。
Bは「クソッ!閉まっとる。あ~クソッ」と小さな声で叫びました。

足音はおそらく15mくらいまで近づいてきています。直感的ですが、私はその時、
足音の連中は間違いなくトイレに来ると確信していました。
Bもきっと同じ予感がしていたのだと思います。
私もBもジッと立ち尽したままでした。
Bは「…仕方ないわ。降りよう」と言い出しました。私は「えっマジで…?」と
返事をしました。あの得体の知れない階段を降りるのはすごく嫌でしたが
トイレ内にはもはや隠れる場所もなく、走り出したところで、
暗闇の中でしかも場所がよく分からないので捕まるだろうと思いました。

深夜の宗教施設という特殊な状況下で判断力も鈍っていたのかもしれません。

足音がもうすぐトイレ付近に差しかかる中、
私とBは個室の扉を開き足音を忍ばせながら下への階段を降りました。
階段はコンクリート造りの階段で、長い階段なのかと思っていましたが、
意外にも10段くらいで下に着きました。真っ暗闇なので何も見えないのですが、
前を歩いていたBが、降りた突き当たりの目の前にあったのだろう扉を開きました。

14 地下のまる穴7 sage 2011/12/16(金) 10:22:35.90 ID:s+XHJkPg0
中には部屋がありました。部屋の天井にはオレンジ色の豆電球がいくつかぶら
下がり、部屋全体は淡いオレンジ色に包まれていました。
私とBはその部屋に入ると、扉をそっと静かに閉めました。部屋を見渡すと、
15畳くらい(よく覚えていません)の何もないコンクリート造りの部屋で、
真ん中には大きく円状のものがぶら下がっていました。説明しにくいですが、
巨大な鉄製のフラフープみたいなものが縦にぶら下がっている感じです。

そのフラフープは部屋の両隅の壁に付くくらい巨大なものでした。

私とBはそんなのを気にせずに、扉の前で硬直していましたが、
私が「Aたちは?おらんじゃん…」と小さな声で言うと、
Bは「わからん、わからん…」とひきつった表情で言っていました。

そして、私たちが聞いていた足音が予感通りトイレの中に入ってきたのが
分かりました。真上から足音がコンクリートを伝って響いてきました。
その足音は3人~4人くらい。私たちはジッと動けないまま、
扉の前で立ち尽していました。

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