田舎・地方の習慣
かくれんぼ

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家は一晩中せわしなく、祖父は後ろめたさと得体の知れない恐ろしさに、布団の中で震えました。
朝を迎えても兄は見つからず、家には近隣の大人や警察があわただしく出入りを繰り返しています。

昼を過ぎる頃、自分の隠していることの重みに耐えかね、母の姿を探しはじめたその時
「見つかった」と言う知らせが飛び込んできました。

兄は死んでいました。

兄は村のはずれを通る川の下流で、死体で発見されました
溺死と判断されたその死体に外傷はなく、しかし、何故か足は裸足でした。

ここまでが祖父から聞いた話。

432 7/7 sage New! 2007/11/30(金) 15:37:06 ID:GednxxFq0

「あそこはおとろしい(恐ろしい)ところじゃから、いったら(入ったら)いかんで」

と、話し終えた祖父は私と隣家の子に、優しく強く言い聞かせました。
私たちは二度と離れに入らないと約束しました。

祖父から聞かされた話は、私にとって非常に恐ろしい思い出として心に残っています。
ですが、その話を聞かなくても、離れに入ることはなかったと思います。
祖父に声をかけられる前に、私たちは「かくれんぼ」をやめていました

一階東の部屋に隠れた要領の悪い私を、隣家の子はすぐに見つけました。
次の鬼を決めるためにジャンケンをしようとしたその時、上の部屋から「ガタン」と物音。
恐る恐る様子を見に行った「あの部屋」の前で、確かに聞いたんです。

襖の向こうから「カタ、コトン」と硬い音を。

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かくれんぼ