自己責任でお願いします
ナール、ナシュ

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730 7/10 sage 2011/09/16(金) 17:29:29.54 ID:5MdxD8NT0
後日、お昼過ぎにYが家にやってきました。
Y「おう」
私「いらっしゃい。上がってよ」
この日は家族が全員出かけていて、いつになく強張った顔のYを居間へ案内しました。

Y「……で、石っていうのは?」
私「これなんだけど」
私が石を取り出すと、Yの顔色が変わりました。
Y「…………」
私「Y?」
Yはじっと石を見つめた後、
Y「お前、こんなもんどうやって手に入れた?……誰かから貰ったのか?」
私「いや、ネットのオークションで買ったんだけど」
Y「あぁ……」
Yは納得したように頷き、大きく息を吐きました。
普段楽天家で陽気な性格のYが、見たことが無いほど神妙な顔をしているのを見て、
私は何だか怖くなりました。
私「何かやばそうなの?」
Y「……俺もよく分からんけど、何かの御神体みたいなもんじゃないかな」
私「ごしんたい?」
Y「日本のじゃない、どこか外国の……まあ、ちゃんとした場所に預けた方がいいわ。あんまりいい影響は無いと思うし」
一呼吸置いて、
Y「お前、目ぇ大丈夫か?右目。」
私「えっ」
どきりとしました。
あの奇妙な夢を見た後は、必ず右目が充血するのです。
Y「この石見てると、目が痛い。何かあるんだろうな、これも」
私「……」
Y「……なあ。この石、良かったら俺が預かろうか?」
いきなりの意外な言葉に、正直面食らいました。

731 8/10 sage 2011/09/16(金) 17:31:15.00 ID:5MdxD8NT0
Y「俺の知り合いに、こういうのちゃんと保管してくれる人がいる。その人に渡してやるよ」
Y「これ以上ここに置いていてもあれだしな……」
Yの申し出は、正直ありがたいものでした。
私としてもすっかり恐怖心が芽生えてしまい、この石を手放したいと思っていたのです。
私「俺は助かるけど……いいの?」
Y「うん、まあ乗りかかった船だよ。多分その子らも、その方がいいだろうしな」
私「ありがとう、助かる。……その子らって?」
Y「お前の周りに子供が沢山いる。何か全員、お前のこと指差してるぞ」
……正直、血の気が引く思いでした。

Y「じゃあ、受け渡しが終わったら連絡する」
そうしてその日、その石をYに持ち帰ってもらい、私はやっと気苦労から解放されたと思いました。
今日からは安心して眠れる。そう思い寝床に着いたのですが、
また、夢を見ました。

気がつけば薄暗い森の中。
大きな木があって、半裸の子供達がいる。ここまではいつもと同じ。
違ったのは、子供達が全員で私にしがみついていて、目の前の木に括りつけられているのが
Yだということ。

Yは怯えた顔で私に何か叫び、必死に身をよじって逃げようとしていました。
見ると右目が抉られていて、血が黒い泥のように流れていて。

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