厳選怖い話
憑き護

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「人の陰口を叩くな」

と怒っていた。

数日経ったある日のこと、俺と友達数人で、さぁ帰ろうかと授業道具をランドセルに押し込んで教室を出た。
廊下の奥の方で誰かがうずくまっているように見えた。
出口に行くにはその廊下を突っ切っていくしかないので、そのまま廊下を進んでいった。
A先生だった。
A先生はなぜか廊下に大量の教材を撒きながらペタリと座り込んでいた。
うずくまってるように見えたのはこのせいだと思う。

「あら、おはようございます」

A先生は放課後なのに朝の挨拶を俺たちにしてきた。
A先生は気分がいいのかどうかわからないが、授業はどうだ、とか学校は楽しいか、とかいじめはないか、など色々聞いてきた。
割と普通に話せる様子だったので、思い切ってA先生に足のことを聞いてみることにした。
ただ、まさか足をいきなり見せてくれとも言えない(恥ずかしいし)ので、

「靴のサイズいくつですか?」

とか子供なりに遠まわしに聞いていった。
なんて言ったのかは覚えてないけど、友達が機転を利かせて足を見せあうように仕向けた。
A先生は溝にハマった足の方をズボンをちょっとまくりあげて見せてくれた。
たくさんのデコボコの跡があった。
確かにとうもろこしを押し付けた跡に見えなくもない。
でもあれは口を

「イーッッ!!」

って引っ張ってそのまま足に押し付けたような歯型だった。
前歯や八重歯みたいな跡がクッキリついていて、大量の歯型を押し付けたような跡だった。
A先生がソレを見せて、俺たちが認識した瞬間を見計らったかのように

「クスクス」

と静かに笑いだした。
怖くなった俺たちは一気に校門まで逃げ出した。
全員事もあろうに上履きだった。
それほど必死だったんだと思う。

「あれ歯型だよ!」

「ドクロの歯のとこ押し付けたみたいな跡!!」

「あの人ヤバイって!」

上履きで出たけど誰も戻ろうとは言わず、その日はそのまま上履きで帰った。

次の日、A先生は至って普通だった。
おかしいままだけど昨日の事は何も知らないといった素振りだった。
ただ、ここから学校全体への異常が始まり出した。
図書室の本が全て逆さまに並んでたり、校庭のど真ん中に理科室のビーカーやフラスコが大量に割れてたり、朝来るとカラスやハトが必ず学校に何匹か入ってきていることも何週間か続いた。
タチの悪い悪戯って事で学校側は用務員に夜の見回りとかをさせていたが、結局犯人は見つからず、変な悪戯が続いていた。
俺のクラスでは

「きっとA先生が犯人だ!」

と話が持ちきりになっていた。
歯型の一件以来、俺と友達が話の中心になっていた。
そういった噂めいた話は人の好奇を引くせいか、A先生観察隊など名乗り出す連中もいた。
学校から家まで跡をつけるとか言っていつも見失っていたが・・・

忘れもしない7/22日。
A先生が死んだ。
死因は変死らしいが詳しい原因はわからない。
家で死んでいたそうだ。
ただちょこっと新聞にも載っていた。(母校バレるんで調べないでほしい。検索かけても出てこなかったから大丈夫とは思うが)
クラスの女子が

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