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師匠シリーズ

黒い手

53 黒い手  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2006/10/15(日) 20:49:55 ID:lY9MF+tv0
その噂をはじめに聞いたのは、ネット上だったと思う。
地元系のフォーラムに出入りしていると、虚々実々の噂話をたくさん頭に叩きこまれる。どれもこれもくだらない。
その中に埋もれて、「黒い手」の噂はあった。

黒い手に出会えたら願いがかなう
そのためには黒い手を1週間持っていないといけない
たとえどんなことがあっても

「バッカじゃないの」
上記の噂を話したところの、ある人の評である。
オカルト道の師匠にそんなあっさり言われると、がっかりする。
「まあ不幸の手紙の亜種だな。どんなことがあっても、って念押ししてるってことは、1週間のあいだになにか起こりますよってことだろ」
チェーンメールが流行りはじめた頃だったが、「××しないと不幸になる」
というテンプレートなものとは少し毛色が違う気がして僕の印象に残っていたのだが、師匠はこういうのはあまり好きではないようだった。
しかし、しばらくのあいだ僕の頭の片隅に「黒い手」という単語がこびり
ついていた。
ありがちなチェーンメールと一線を画すのは、そのスタート契機だ。
「このメールを読んだら」
ではなく、
「黒い手に出会えたら」
つまり、話を聞いた時点で強制的にルールの遵守を求められるのではなく、契機が別に設定されているのだ。
怖がろうにも、その契機に会えない。
「黒い手に出会えたら」
僕は出会いたかった。

54 黒い手  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2006/10/15(日) 20:53:18 ID:lY9MF+tv0
黒い手を手に入れた。
という一文をあるスレッドで見たとき、僕の心は逸った。
普段はいかない部屋に出入りしていたのは、「地元の噂」を語る場所だったから。「黒い手」の噂を聞けるかも知れないという可能性のためだ。
マニアックなオカルト系フォーラムにどっぷり浸っていた僕には、少し程度が低すぎる気がして敬遠していたのだが・・・・・・
「見せて見せて」
というレスがつき、しばらくして「いーよ」という返事があった。
その音響というハンドルネームの人物は、何度かオフ会を仕切ってるような行動派らしく、「じゃ、明日の土曜日にいつものトコで」という書き込みで
「黒い手オフ」が決定した。
新参者の僕は慌てて過去ログを読み返し、いつものトコが市内のファミレスであることを確認すると「初めてですけど行ってもいいですか」と書き込んだ。
当日は、まだこういうオフ会というものにあまり慣れていないせいもあって緊張した。
遅れてしまってダッシュで店内に入ると、目印だという黒系の帽子で統一された一団が奥のスペースに陣取っていた。
「ちーす」という挨拶に「すみません」と返して席につくと、テーブルの周囲に居並ぶ面々に対して妙な気まずさを感じた。
ネット上の書き込みを見ていた時から想像はついていたが、やはり若い。
たぶん全員中学生から高校生くらいだろう。僕もついこのあいだまで高校生だったとはいえ、1コ下2コ下となると別の生き物のような気がする。
先輩風を吹かしたりというのは苦手なので、ここでは年上だとバレないようにしようと心に決めた。
「で、これなんだけど」
そう言って全身黒でキメた16,7と思しき女の子が、足元から箱のようなものを出してきてテーブルに乗せた。

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師匠シリーズ

トイレ

160 トイレ   ◆oJUBn2VTGE ウニ 2008/06/28(土) 23:43:52 ID:quV+YcYD0
大学1回生の春だった。
休日に僕は一人で街に出て、デパートで一人暮らしに必要なこまごまとしたものを
買った。レジを済ませてから、本屋にでも寄って帰ろうかなと思いつつトイレを探
す。
天井から吊り下がった男と女のマークを頼りにフロアをうろつき、ようやく隅の方
に最後の矢印を見つけた。
角を曲がると、のっぺりした壁に囲まれた通路があり、さらに途中で何度か道が折
れて、結局トイレルームに至るまでには人の気配はまったくなくなっていた。
ざわざわとした独特の喧騒がどこか遠くへ行ってしまい、自分の足音がやけに大き
く響いた。
ふと、師匠から聞いた話を思い出す。
『あのデパートの4階のトイレ、出るぜ』
オカルト道の師匠の言うことだ。もちろんゴキブリやなにかのことではないだろう。
僕はここが4階のフロアだったことを記憶で確認し、「よし、ちょうどいい。確か
めてやろう」と思う。
確か師匠はこう続けたはずだ。
『4階の身障者用のトイレでな、自分以外誰もいないはずなのに近くで声が聞こえ
るんだ。その声は小さくて何を言っているのかとても聞き取れない。キョロキョロ
したって駄目だ。小さい音を聞くために、どうしたらいいか、考えるんだ』
ドキドキしてきた。
通路を進むと男性用と女性用のマークがはめ込まれている壁の手前に、車椅子のマ
ークのドアがあった。身体障害者用の個室だ。
入るのは初めてだった。

161 トイレ   ◆oJUBn2VTGE ウニ 2008/06/28(土) 23:46:55 ID:quV+YcYD0
クリーム色の取っ手を横に引くと、ドアは大した力もいらずにスムーズに滑った。
パッと明かりがつく。自動センサーのようだ。内側に入り、ドアから手を離すと自
然に閉まっていった。
中は思ったより広い。普通のトイレの個室とはかなり違う。入り口から正面に洋式
の便座があり、右手側には洗面台がある。その洗面台の上部に取り付けられている
鏡を見て、少し違和感を覚える。
鏡の真正面に立っているのに、自分の顔が見えない。胸元が見えているだけだ。
よく見ると鏡は前のめりに傾けられていた。なるほど、車椅子の人が使うことを想
定して、低い位置から正対できるようになっているらしい。
顔の見えない鏡の中の自分と向かい合っていると、まるで鏡に映っているのが見知
らぬ誰かであるような気がして、気持ちが悪かった。
僕は鏡から目を逸らし、便座に近づく。手すりが壁に取り付けられ、壁から遠い側
には床から丈夫そうなパイプが伸びている。
グッと体重をかけて手すりとパイプを両手で掴みながら体を反転させる。
ストン、と便座に腰を落とす。
静かだ。換気扇の回る振動だけが伝わってくる。
心霊スポットだからって、いつもいつも「出る」わけでもないだろう。ましてこん
なに明々とした個室で、しかも昼間っからだ。
残念に思いながらも少しホッとした僕は、ついでだからとズボンを下ろし、用を足
した。
水を流すボタンはどれだ?
壁側を探ると、赤いボタンが目に付いた。あやうく押すところで思いとどまる。
『緊急呼出』
そんな文字が書いてあった。

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師匠シリーズ

ビデオ

640 ビデオ 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/02/08(日) 00:16:01 ID:3TBJnZvS0

「あいつの、弟子か」
凄い力だった。黒谷は俺を引き寄せてささやく。師匠はもう外に出ていて、家の中からでは見えない。
「オレのことは聞いたか」
掴まれた腕の痛みに顔をしかめながら、頷く。
「じゃあ浦井のことも聞いたか」
まだ全部は聞いてません。ようやくそう言うと、やっと手を離してくれた。
黒谷は何か考えごとをしているように視線を宙に彷徨わせていたが、ニッと口元を歪めると、「あのビデオ、やばいぜ」と言って”もう行け”とばかりに手を振った。
掴まれた肘の裏側が熱を持ったように痛む。俺は逃げるように靴を履いて外へ出た。
外では師匠が誰かに気づいた様子で、なにかを喋りながら本堂の方へ歩いていこうとしていた。俺は家の戸口を気にしながら慌ててそれを追いかける。
視線の先に白い服を着た少女が映った。ああ、さっきの、と思う。幻覚ではなかったようだ。
師匠は「アキちゃん」と呼んで近づいていった。
本堂の式台の端に腰掛けて足をぶらぶらとさせながら、師匠の呼びかけに軽い会釈で応えている。
中学生くらいに見える、ほっそりとした色の白い子だった。
久しぶりに会ったような挨拶を交わしたあと、師匠は「高校には上がれそうなのか」と聞いた。
そういえば今日は平日のはずだ。学校を休んでいるのか。
少女ははにかんで笑い、「たぶん、なんとか」と風鈴が鳴るような声で返した。
その後、参道を引き返す俺たちを見送りながら、彼女はずっと同じ格好で座っていた。振り返るたび、周囲の景色より小さくなっていくように見えた。

641 ビデオ 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/02/08(日) 00:21:08 ID:3TBJnZvS0

帰りの車の中で俺はシートベルトを締めながら師匠に顔を向ける。
「アキちゃんて言うんですね」
「ああ。秋に生まれたからだと。あのオッサンの妹だよ。体が弱くてね。学校も休みがちみたいだ」
ずいぶん歳の離れた兄妹だ。それよりあのガッシリした体格の男性とのギャップが大きい。
「血は繋がってるのはホントだよ、どっかから攫ってきたワケじゃない。それにあのオッサン、ああ見えてまだギリギリ二十代のはずだ」
師匠は意味深な口調でそう言って、急な山道を降りるためにフットブレーキからギアを落としてエンジンブレーキに切り替えた。
「あのオッサンの話は、まあ、またいずれな」
それより、こっちさ。
そんな顔で師匠は傍らの紙袋を舐めるように見るのだった。

お互いに午後は用事があり、深夜零時近くになってまた合流した。
「夜の方が雰囲気が出るだろう」
師匠はそう言って、まだ見てないというビデオテープを紙袋から出して見せた。
師匠のアパートの畳の上で、いつものように俺は胡坐をかいてテレビの前に座った。家具だかゴミだかよくわからないこまごましたものを乱暴にどけて、師匠も横に座る。
「古いテープみたいだからな。ベータとかいうオチじゃなくて良かった」
そんなことを言いながら、黒いビデオテープのカバー部分をパカパカといじる。どこにでもある百二十分テープのようだ。タイトルシールはない。
「さて、焚き上げ供養希望の一品、ご拝見」
軽い調子で師匠は、ビデオデッキにテープを押し込む。「再生」の文字が映り込み、黒い画面が砂嵐に変わった。

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師匠シリーズ

先生

512 先生 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/08/21(金) 22:58:57 ID:YUHlb2rI0
師匠から聞いた話だ。

長い髪が窓辺で揺れている。蝉の声だとかカエルの声だとか太陽の光だとか地面から照り返る熱だとか、そういうざわざわしたものをたくさん含んだ風が、先生の頬をくすぐって吹き抜けて行く。
先生の瞳はまっすぐ窓の外を見つめている。僕はなんだか落ち着かなくて鉛筆を咥える。こんなに暑いのに、先生の横顔は涼しげだ。
僕は喉元に滴ってきた汗を指で拭う。じわじわじわじわと蝉が鳴いている。
乾いた木の香りのする昼下がりの教室に、僕と先生だけがいる。
小さな黒板にはチョークの文字が眩しく輝いている。三角形の中に四角形があり、その中にまた三角形がある。

長さが分かっている辺もあるし、分かっていない辺もある。先生の描く線はスッと伸びて、クッと曲がって、サッと止まっている。おもわずなぞりたくなるくらいの綺麗な線だ。
それからセンチメートルの、mの字のお尻がキュッと上がって、実にカッコいい形をしている。
三角形の中の四角形の中の三角形の面積を求めなさいと言われているのに、そんなことがとても気になる。それだけのことなのに本当にカッコいいのだ。
mのお尻に小さな2をくっつけるのがもったいないと思ってしまうくらい。
「できたの」
その声にハッと我に返る。
「楽勝」
僕は慌てて鉛筆を動かす。
「と、思う」
と付け加える。

先生は一瞬こっちを見て、少し笑って、それからまた窓の外に向き直った。背中の剥げかけた椅子に腰掛けたままで。僕は小さな机に目を落としているけれど、それがわかる。
また、蝉の声だとかカエルの声だとか太陽の光だとか地面から照り返る熱だとかが風と一緒に吹いてきて、先生の長い髪がさらさらと揺れたことも。白い服がキラキラ輝いたことも。

513 先生 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/08/21(金) 23:01:03 ID:YUHlb2rI0
二人しかいない教室は時間が止まったみたいで。僕はその中にいる限り、夏がいつか通り過ぎるものだ、なんてことを、なかなか思い出せずにいるのだった。

小学校六年生の夏だった。夏休みに入るなり、僕は親戚の家に預けられることになった。その母方の田舎は、電車をいくつも乗り継いでやっとたどり着く遠方にあった。
小さいころに一度か二度、連れてこられたことはあったけれど、一人で行かされるのは初めてだったし、「夏休みが終わるまで帰ってこなくて良い」と言われたのも当然初めてのことだった。

厄介払いされたのは分かっていたし、一人で切符を買うことや道の訊き方について、それほど困らないだけの経験を積んでいた僕は、むしろ「帰ってこなくて良い」の前に「夏休みが終わるまで」がくっついていたことの方に安堵していた。
田んぼに囲まれた畦道を、スニーカーを土埃まみれにしながらてくてく歩いていくと、大きなイブキの木が一本垣根から突き出て葉を生い茂らせている家が見えてきた。
この地方独特の赤茶色の屋根瓦が陽の光を反射して、僕は目を細める。
その家には、おじさんとおばさんとじいちゃんとばあちゃんと、それからシゲちゃんとヨッちゃんがいた。
おじさんもおばさんも親戚の子どもである僕にずいぶん優しくしてくれて、「うちの子になるか」なんて冗談も言ったりして、二人とも農作業で真っ黒に日焼けした顔を並べて笑った。

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師匠シリーズ

刀

332 刀  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/10/02(金) 22:17:41 ID:o7OYvvFV0
師匠から聞いた話だ。

大学二回生の春の終わりだった。
僕は師匠のアパートのドアをノックした。オカルト道の師匠だ。
待ったが応答がなかった。
鍵が掛かっていないのは知っていたが、なにぶん女性の部屋。さすがにいつもなら躊躇してしまうところだが、ついさっきこの部屋を出て行ったばかりなのだ。
容赦なくドアを開け放つ。
部屋の真ん中で師匠は寝ていた。
その日、朝方はまだそれほどでもなかったのに昼前ごろには急に気温が上がり、昨日の雨もあってか、猛烈に蒸し暑かった。
その部屋はお世辞にもあまりいい物件とは言えず、こういう寒暖差の影響はモロに受ける。
師匠は畳の上、うつ伏せのままぐったりして座布団に顔をうずめている。
僕は靴を脱いで上がるとその側に近寄って声を掛けた。
「……」
なにか応答があったが、モゴモゴして聞き取れない。
「師匠」
もう一度言いながら肩を叩く。
ようやく座布団から顔がわずかながら浮き上がる。もの凄くだるそうだ。
また、なにか言った。
耳を寄せる。
「おばけ見る以外、したくない」
はあ?
「ちょっと」
僕はまた座布団に顔をうずめた師匠の身体を揺する。
「これですよ、これ」
そうして左手に下げた紙袋をガサガサと頭上で振ってみせる。
「ちょっと。見てくださいよ、これ」
師匠は薄っすらとかいた汗を頬に拭って顔を半分こちらに向け、眠りかけのうたぐり深そうな目つきでボソリと呟く。
「おばけ以外、見たくない」

334 刀  ◆oJUBn2VTGE ウニ 時々変な位置に改行が入るな…… 2009/10/02(金) 22:23:14 ID:o7OYvvFV0
ええと。
そんな宣言どうでもいいですから、お金下さい。立て替えたお金。
そもそもついさっきお遣いを頼んだのはそっちでしょう。
僕はあきれて紙袋から印鑑を取り出すと、またもや顔を座布団にうずめている師匠の前で振って見せたが、反応がないので首筋に押し付けてやった。
やっべ。
赤いものがついた。店で試しに押した時のインクが残っていたらしい。
師匠はようやくその感触にすべてを思い出したのか、深いため息をついて上半身を起こした。
「そうか。頼んでたな。いくらだった」
注文していた印鑑ができてるはずだから取りに行って来いという、お願いというより半ば命令だった。
「高かったですよ」
僕の言った値段に鼻を鳴らして恨めしそうに財布を探る。やがて決まりの悪そうな顔になった。
「また金欠ですか」
心なしか痩せて見える。
「いや、金が入るあてはあるんだよ。今日だって…………今日?」
財布を探る手を止めて僕の顔を見た。そしてすぐさま電話に飛びつく。
どこかにかけた。相手が出る。
「すんません。忘れてました」
開口一番それだ。
僕は立て替えた印鑑代が戻って来るのか不安になった。
しばらくのやりとりの末、師匠は受話器を置く。頭をかきながら。
「事務所行くの忘れてた」
事務所というのはバイト先の興信所のことだ。名前を小川調査事務所という。
師匠は時どきそこで依頼を受ける。たいていは他の興信所をたらい回しにされたあげくにやって来る奇妙な依頼ばかりだ。
そんな奇妙な依頼が今回は名指しでやって来たらしい。
噂を聞いてのことだろう。
このごろはそんなご指名による依頼が多い気がする。それなりに結果を出しているということか。

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占い・おまじない、呪い 自己責任でお願いします

自己責任

呪い系。
似たようなやつをこのスレのどっかで見たことあるけど原文に近いかも。廃棄直前Q8のBBSログからハケーン
—-
Message # 26 is from: *****
Time: 97/04/30 1:02:02 Category 8: フリートーク
Subj: 自己責任で読んでね

こんなん手に入れました。
マジでヤバイかも…ログ全部巡回して目を通してる*****さん注意(汗)

o(x_x)oカ?クカ?ク

%%%%%%%%
あらかじめお断りしておきますが、この話を読まれたことでその後何が起きても保証しかねます。
*自己責任の下で読んで下さい。
*保証、責任は一切持ちません。
5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。

表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。

私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、先日古い友人と話す機会があり、あのときのことを
まざまざと思い出してしまいました。
ここで、文章にすることで少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

私たち、(A・B・C・D・私)は、皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余していました。

学校も、私たちがサボったりするのは、受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、体育祭後は朝学校に出て来さえすれば後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。

505 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 01:53

サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。

外から様子のわからないような、とても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびりましたが、ABは「大丈夫」を連発しながらどんどん中に入って行きます。

既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。

壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。「こっちも部屋か」よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアは、こちら側からは本棚で塞がれていました。肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。

今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることにそのとき疑問を持つべきでした。

506 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 02:14

それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのかじめっとしていました。