洒落怖
言葉の意味

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954 本当にあった怖い名無し sage 2008/05/23(金) 22:03:50 ID:hYzAhLP+0
あれは去年の夏のことだった
冷房が壊れてしまい、僕は熱帯夜の中寝付けずにいた。
何度目かの寝返りをうったときのこと。寝返りをうった方向、
顔のすぐ目の前にどこか人のような顔をした犬か狐のような動物が
鎮座していたのだ。
僕は大層驚いて、「うわああああ」とか「ぎゃああああ」とか叫び声を
あげて飛びのいたつもりだったのだが、どういうわけだか
体がぴくりとも動かず声もでない。
そのままの状況で謎の動物と見詰め合う・・・
心の中では消えろ消えろとずっと念じていたが一向に消えてくれない。

この地獄はいつまで続くのかと精神が音を上げかけたころ、
その動物の表情が歪んだ。
人でいえば、笑顔のような形だった。(と、いっても歪にひきつっていて恐怖しか
感じなかったが)
そして口を開かずにこう言った

「アシ イランカ?」

僕が意味がわからずに何も反応できずにいると、その動物はふっと消えた。
すると何事もなかったかのように体は動くようになった。
その夜は寝付けず、またアレがでるのではと震えながら朝を迎えたが、
結局あの動物は朝まであらわれなかった・・・

957 2 sage 2008/05/23(金) 22:18:17 ID:hYzAhLP+0
それから三日がたったがずっと体調が優れなかった。何をしていても
だるく、軽い頭痛のようなものが常時続いた。
そして4日目の朝、靄のかかったような頭で自転車を運転していると
突然車が突っ込んできて、僕はあわやというところで自ら自転車を倒し、
車との接触を免れた。 車はそのまま猛スピードで走り去ってしまい、
僕はのろのろと立ち上がり、しばらく呆然としていたが
足に痛みが走っていることに気づいた。見れば右足からだくだくと血が流れている。
どうやら自転車を倒したときに地面と自転車に足が挟まれて裂傷を負ったらしい。

僕は痛む右足をかばいながら、行く予定だった本屋へも行かずに家へと帰った。
当然だが僕の足をみた母親は驚き、すぐさま病院へと連れて行かれた。
すると、出血は派手だがそう深い傷ではないらしく消毒と包帯をするだけで
問題ないという。母親は「ああよかった」としきりに言っていたが
僕はあのときの動物の言葉を思い出していた・・・

958 3 sage 2008/05/23(金) 22:31:56 ID:hYzAhLP+0
その夜、またあの動物が現れた。
初めてアレが現れたときと同じように寝付けずにいると、
あの動物が現れて怪我をした足を長い舌で舐めている。
全身に怖気が走り、恐怖に狂いそうになったが
あのときと同じくまったく動けないのでどうしようもない。
ひとしきり僕の足を舐めると動物はまた笑みのように顔を歪め、言った。

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