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63 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/30 13:12
小学生の頃大好きだったばーちゃんが死んだ。
不思議と涙は出なかったのだけど、ばーちゃんが居ない部屋は何故か妙に広く感じて、静かだった。
火葬が済んだ後、俺は変な気配を感じるようになった。
テレビを見てるとき、トイレに行く途中の廊下、誰かが俺を見ているようだった。
なんとなく「ばーちゃんだな」と思ったけれど、そのときは別に気に止めなかった。
次の日、眠りにつこうと布団に入りウトウトしていると、突然金縛りにあった。
金縛りは初めてだったので、かなりビックリしていると、
ドアの方から鈴の音が聞こえてきて、だんだんこっちの方に音か近付いてくる。
目を開けるのが怖かったので頑なに目を閉じていたけれど、目の奥にばーちゃんの姿が見えた。
馬鹿な俺はそのときパニック状態になり、
何故可愛がってくれた俺をこんな怖い目に遭わせるんだ、と心の中でばーちゃんをけなし続けた。
すると目の奥のばーちゃんは少し悲しそうな顔をして、鈴の音が小さくなると共に消えていった。
金縛りが解けた後は、怖かったので布団に潜り眠った。
64 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/30 13:12
次の日の朝、なんとなくばーちゃんの部屋に入り、一緒に折った折り紙の鶴などを眺めていた。
昨日の出来事を思い出したりして、ばーちゃんは何がしたかったのだろう等考えていたら、
とっさにある事を思い出した。
あの鈴の音。
ばーちゃんの財布に付いていた、猫と鈴の付いたヒモ。
俺はとっさにタンスを開けて、ばーちゃんの財布を取り出した。
財布の中には、少しのお金と封筒。
その封筒を開けてみると、便せんに癖のある字でこう書かれていた。
『甘いものばかり食べていると虫歯になるから控えなさいね。
テレビゲームのやりすぎもほどほどに。
おばあちゃんいつもお前の事を心配して見守っているからね。
少しだけどこのお金で何か買いなさい。』
昔の千円札が一枚入っていた。
あのときばーちゃんは、これを渡したくて俺の部屋に来たのだろうか。
そんな事も知らずにばーちゃんを貶した自分。
あのときの悲しそうな顔をしたばーちゃん。
俺はばーちゃんが死んでからはじめて泣いた。