洒落怖
腐った臭い

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昔、友人が鞄のなかで肉を腐らせてた。それを学校に持ってくるもんやから、ほんと最悪やった。
その友人はもう死んだんやけど、なんでやろうね、あの腐った臭いが消えないんやわ記憶から。
その臭いを初めて嗅いだのは、田平子さんが守っている洞窟やった。
友人はまともなやつやったんで、絶対に行きたくないって言ってたんやけど、じゃぁ俺が一人で行くっていったら着いてきおった。
田平子さんはでっけぇんだが、まさかその下に洞窟があるとは思ってねかった。
そんときは夏やったから、あんまりにも臭せーんで、なんかあるやろ思って掘り返すと、くっさい風が吹き出してきて俺と友人は吐いたんやわ。
そしたら友人が、なんかおった、なんかおった言うから、くっさいの我慢してもっかい覗いたんやわ。
そしたら金切り声と一緒に、人間の皮を剥いだような赤黒い何かが、ずりばいで登ってくるんや。
俺もう友人のことほったらかして一目散に逃げたんや。

次の日学校行ったら、友人がおって、なんか普通にしてたんよ、あのときなんかあったんか?て聞いても何もなかった言うし、
でも暫くしてだんだんあいつ臭うなってきて、おかしいなおもって鞄のなか見たら、
なんかわからんけど動物の細切れいうか、ミンチみたいなもんがぎっしり詰まってたんや。

誰も友人に近寄らんなって、学校にも出てこんくなって、正月明けにはいなくなってしもうた。

死んだんやろな、としか思わんかった。

俺はそのあと親父の転勤で関西に戻ったんやけどな、いまだに思い出すわ、あの臭い。
きっと、人間やったんやろな。

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