洒落怖
轢く

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顔から血を流した男が、車の上から覆い被さるようにしてこちらを見ていました。

25 :3/5@\(^o^)/:2014/12/07(日) 10:58:47.00 ID:9R988hIX0.net
Aが物凄い悲鳴をあげました。
びっくりしたのは僕も同じだし、一回なら良いんです。が、パニックに陥ったのかAは何度も断続的に叫びました。
「ぎゃああああああああああ!!うああああああああああぁぁあ!!うわあぁあ、アアアアあああああ!!!!」
「ちょっとお前気持ちわかるけどうるさい」
正直鼓膜が破れそうな音量だったので、僕はとりあえず生茶の2lペットボトルでAを殴りました。
そんなことをしていた間に、男は居なくなっていました。よく分かりませんがラッキーです。しかし一難さってまた一難とは的を得ていて、今度は今まで静かだったBが、
「あああああぁぁ!ぐるじ$@@〇〇〇×!殺してやるぁああ〇あ〆々ああ∴∞¥¥$あ」
「やかましい」
この非常時に何をふざけたいのか知りませんが、白目をむきながら髪を掴んできたので、僕は生茶の2lペットボトルでBも殴りました。
Bはもんどりうって倒れ、「ゔーうぅぅーー」と呻き出しました。やめろ爪で座席を引っ掻くな。
僕はとりあえず二人を落ち着かせようと車内灯を点けました。しかしそのとき、何やら気配を感じ、右を振り向きました。
運転席の窓から、墨を塗ったように真っ黒な顔をした何かが、てらてらした目玉で僕を見つめていました

ブワアアアアッと音を立てる勢いで鳥肌がたちました。は?え、なにこれ。
怖いし意味が分からないし思考が一切纏まりません。でも。でも何よりキモかったので、僕は反射的に思い切り窓を殴りました。
「ギエゴ」
そう聞こえました。
顔が一瞬窓から離れた隙に、僕はアクセルを思いっきり踏み込んで急発進しました。
とりあえずさっきのは明らかに生きてる人ではない。
そのまま一直線に出口を目指します。

26 :4/5@\(^o^)/:2014/12/07(日) 11:00:27.44 ID:9R988hIX0.net
しかし、ミラーを見ると、さっきのキモいのが、頭と足のみつんばい(何故か手がありませんでした)で追いかけてくるのが見えました。
たぶん、捕まったら終わりだろう。
と、直感し、一か八か、僕はブレーキを踏み込んで急停止しました。バゴンっと音をたててバンパーにそれがぶつかりました。成功です。
間髪いれずにバックすると、車体がゆらいで明らかに何かに乗り上げた感触がありました。後輪をそれに乗り上がった状態で止め、景気付けに運転席で座ったまま軽くジャンプしました。
そしてまたアクセルを踏み込み、一目散に駐車場から逃げ出しました。
ミラーを見ましたが、それはもう付いてきていないようでした。

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