洒落怖
旅路

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268 本当にあった怖い名無し sage 2007/12/23(日) 11:49:24 ID:oTiwT/u30
夕暮れの山の中に、一台のバスがあった。
後ろには、遊園地なんかによくある回転式のゲート
そのゲートの向こうに、中学時代からの友人Tと、彼の好きだった車が隣に並んでいた
Tはしばらく渋い顔でこちらを見つめていたが、やがて踵を返し、車と一緒にゲートの前から去っていった
この時Tが車に乗り込むことはなく、車は勝手にTに付き従うようにゆっくりとついていった
バスのドアが開くのを待っているのは、自分を含め4人。
同じく中学時代からの友人で女の子のA。それから見たことのない知的障害者が3人。
俺はAと面識があるにも関わらず言葉一つ交わすことなく、静かにバスを待っていたが
逆に知的障害者3人は一緒になってわけのわからないことを喋りあっていた。

バスのドアが開いた。
中に乗り込むと、顔の無い運転手がハンドルを握っている。あるいはこれが本当の「記憶に残らない顔」なのかもしれない
最前列の席には、やはり中学の同級生だった女の子のMと見知らぬ女の人。恐らく女の人はMの母親か何かだろう
先に乗り込んだAは、窓際の席に憂鬱そうに座っていた。彼女の脇を通り過ぎる時、俺は初めて彼女に声をかけた

「大丈夫だよ」

Aの反応を見ることなく、俺は後ろの方の席へと歩いていく。見ると、最後尾にはやはり中学時代の友人Kがニコニコしながら
座っていた。俺はKの隣に腰を下ろした。

何のアナウンスもなく、バスはドアを閉め、出発した。中は静まり返り、エンジンの音だけが響く
見れば、さっきまで騒いでいた知的障害者3人も静かに席に納まっていた。

269 本当にあった怖い名無し sage 2007/12/23(日) 11:50:03 ID:oTiwT/u30
やがてバスは町に出た。小さめの木造住宅が立ち並ぶ、どこか時代を感じさせる風景
なんとなく高校の部活の合宿で行った山梨の光景に似ていた気がする

ふと、隣に座っていたKの姿が陽炎のようにぼやけているのに気がついた
バスが進んでいくたびに、Kの姿は揺らいでいく。俺はその様子を視界の端に捉えるだけで、決して直視することはない
やがてKは、ふっと、静かに穏やかに消えてしまった

アナウンスの無いバスはどんどん進んでいく。夕日に照らされる街並みは美しく、清らかですらあった
しかし俺はふとここで違和感を感じた。夕日の光が俺の顔にもろに当たっている。なのに肝心の夕日自体がどこにも見えない
俺は窓の外をよく見るため、立ち上がって、ついでにバスの中を見回した
見ると、最前列に座っていたMも立ち上がっており、こちらをじっと見つめていた。二人の視線がバスの対角線を作る
もうバスの中には俺とMの二人しか乗っていなかった。Aも知的障害者3人も、Mの母親の姿もない
そしてさっき乗り込んだ時あれほど広く感じたバスの車内が嘘のように縮み、今やワンボックスカー程度の広さしかない
そして次の瞬間、夕日が強烈に強くなったかと思うと、バスの中は光に包まれ、俺とMは互いを見ることすらできなくなった

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  • はじゃは より:

    障害者が書いたの?まじで意味分からんし気持ち悪ッッッ

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