サイコ
覗き

この怖い話は約 2 分で読めます。

まとめでガリガリの男が手を振りながら走ってくる話を読んで、かなり似た体験をしたことがあったので書いてみる。

俺もこの話の男と同じ趣味があって、夜中に家から外を眺めるのが好きだった。
俺の家はT字路の丁度交差点にあって、そこから縦線に当る道を眺めるのが趣味だった。
道には街灯が点々と続いていて、スポットライトのように路地を照らす街灯の光が切り取る光景を見てニヤニヤしていた。
こんな根暗な趣味を持つ俺は当然小心者で、自宅の2階から外を覗いている姿が周りに気取られぬよう、
カーテンをしっかりと閉めた隙間から覗いていた。
もちろん俺の姿がシルエットにならないよう、部屋の電気は消した上で。
客観的に書いてみると、我ながら結構不気味な姿だと思う。

その日も元気に外を見ていると、電柱の真横に女が佇んでいるのに気が付いた。
女は俺からみて横を向き、電柱に文字かなんかを書きつけているように見えた。家から電柱までの距離は200m弱くらいだろうか、
気になったので双眼鏡を持ち出し、手元に注目してみても、女が何を書いているかまでは確認できない。
何となく女の顔に双眼鏡を向けると、息が止まった。

目が合ってる

電柱までは結構な距離があり、更に俺はカーテンの陰になっているので、外の人間が俺が覗いていることを察知することはありえない。
向こうが最初から、こっちが覗いていることを知らない限り。
内心かなり動揺しつつ、それでもやはり女はこちらに気づいていないだろうと思う気持ちがあった。
確かに目が合っているように見えるけど、女もたまたま俺ん家の窓の辺りを眺めているだけだ、目が合ってるわけじゃない、と。
ところが女は、両手を丸め、それを両目にあてがって見せた。

「見えてるぞ」

聞こえなくても口の動きで分かった。
一気にすごい鳥肌が立ち、流石にカーテンから身を引いた。
鳥肌と冷や汗が引くのを待ち、もう一度意を決してカーテンの隙間から覗いてみると、女はもういなかった。
その日以来、夜中に外を眺めることは少なくなった。

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