洒落怖
おくびょうもん

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376 おくびょうもん sage 2006/12/12(火) 05:40:46 ID:yXjzOsZx0
すまん、連投規制で書き込みできなかった。
そんな簡単なことも忘れるなんてまだ落ち着けてないな。

で、タバコを買いにでた俺はというとこんな目にあった。

行きはこんな寒い夜でも猫達がたむろしてた。
人がきやがったと機敏に身をかくしながらも適度に距離をとっると振り返ってこちらを観察する、そんな愛くるしい姿に頬を綻ばせたよ。
けど帰りは違った。
行きにいたはずの猫達の姿はなく、街灯がぱちぱちと明滅してる。
ついさっき通ったところとはまるで別世界。
異様な雰囲気に足早に通り抜けようとすると背後に気配をかんじた。

俺はこういうとき物怖じせずに後ろをみるタイプだ。
けど今後できるかは不明だ。
けどまあ、すくなくともさっきまではそうした。
人影がある、いくら明滅しているつったって少しは街灯に照らし出されるはずのそれはただただ黒いシルエット。
異様なことに、それの首から上はないようにみえた。

378 おくびょうもん sage 2006/12/12(火) 05:47:11 ID:yXjzOsZx0
『目の錯覚だ、2chでオカルト板なんかついさっきまでみてたから絶対そうに違いない。
きっとこの人もただうつむいてるだけで首から上もある普通の人だ。』
そう思い込もうとするんだが、そいつの緩慢すぎる投げやりな足取りときたら。砂利が無造作にころがった道の上を足を滑らせるぞりぞりとした音がまた不気味で自制を揺るがされるんだよ。

これひょっとしたらマジモンかも、っておもったときには走り出した。
そして小道の曲がり角を抜けた時、足が自然に止まった。
民家の塀ので隠れててわかんなかったが、道をふさぐように俺の腰ちょうどくびあたりまでしか背の丈がなさそうなのがあった。
背を向けてるからぱっとみ老婆の後姿なんだが、直感っていうのは鮮烈で無慈悲だ。
『前門も後門もこんな形でふさがれるなら正直肛門をのぶといもんで蓋されたほうがましだ。』
俺は下品だからそんなことで頭に一杯にして凍りついたからだをほぐそうとしたけど全然無理。
目はよせばいいのにどうしても危機感から観察しちまうんだ。
なんもかもおかしいって頭は視覚からの得られる情報を精一杯分析しやがる。
着てるものからしておかしかい、こんな寒い夜中に出歩くのにセーターもなしで古臭いブラウスと色あせたタイトスカートにはだし。
縮れ毛の髪は手入れなんかしてないようにみえるとかとにかくこんなかんじにめまぐるしく頭が回転してた。

379 おくびょうもん sage 2006/12/12(火) 05:47:50 ID:yXjzOsZx0
『新宿にはこんなのがやまほどいるじゃん平気平気中央公園の浮浪者だ、そうでなければ新宿駅地下道から大分前に一斉に追い出されたルンペンだ。
確かこんな替え歌あったよな、君はルンペンルンペン○○○ゴミ箱漁り ルンペンルンペン金がない(小学校時代俺の名前が○○○にはいっていた 光GENJIの歌の替え歌だ)』
それらしい思考と悪いながらも今では噴出しちまう思い出で硬直からの逃避をはかろうとしてみたがやっぱり無理。
それを視界におさめてから、体がうごいたら真っ先に口元をおさえたい位の腐臭がたちこめてたからな。

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