洒落怖
ガマ

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明かりが全くない、夜に目を瞑ってた方が明るいのではないか、と言えるほどの暗さでした、
黒澤が 「本当に真っ暗だな」 などと思っていた時です

突然 「うわあぁぁぁぁ!!」 と言う叫び声が上がりました、声の主は河野と林でした
先生が 「林!河野!いい加減にしろ!」 と言っています、
しかし河野と林は 「ああっあぁぁ!」 「いやだぁっぁぁ」 と叫びながら走り回っている様でした
先生も流石に変と思ったのか明かりを付けました、河野と林がいません

…いや、立ち入り禁止のロープの奥にいました、二人は、
 「いやだぁぁぁ!やめてくれぇぇぇ!」 「それは俺のだぁぁ!とらないでぇぇ!」
 「やめろ!やめろぉ!そんなのたべたくない!そんなのたべたくない!」
と泣き叫びながら地面を素手で堀返しています。
先生は 「なぁ!…なにやってんだ!」 と駆け寄り、抱きかかえようとしたが、二人は振り払い

 「だめだぁぁ!あんたは何も知らない!!何も知らない!」
 「いやだ…こんなこと…たべるのはだめだ…あぁぁぁ…」
と叫びながら一心不乱に地面を掘ります

 「やめてくれぇぇ…人でなしぃぃ…」と言いながら
河野と林は先生二人と生徒三人がかりで取り押さえられ、洞窟から連れ出されました

379 3/3 sage New! 2008/03/31(月) 19:58:15 ID:INVFNrUO0
他の生徒も続いて出て行きます、外のベンチには俯いた小倉が座っていました
小倉は 「あいつ等おかしくなったんでしょ?自業自得だな…」 と言ってきました
黒澤は 「小倉くん、何か見えたんだよね、何が見えたの?」 と聞きました。

小倉 「頭だよ…人の…笑顔だったり怒ってたり、泣き顔だったり…青白い人の頭が…
    俺達が入ったとたん、地面からニョキ~って生えてきて…ゆらゆらと動き出したんだ…」
黒澤 「頭!? 体は無かったの?」
小倉 「無い、首の長さが2mくらいで…首から下がない20人以上の頭が…ゆらゆらと揺れてた…」

 「俺昔から良く見るんだよね、そう言うの。でも今までに見たのとは比べ物にならない、ここは恐ろしすぎる…」
小倉はそう付け加えました。

河野と林はその後まる一日病院で寝込み、『ガマ』に入った時の記憶が無くなっていました
黒澤は後で河野と林から、神社にお払いに行って3日間しごかれたと聞いたそうです

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