寺・神社
取り込み神社

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縄を超えた瞬間、その声は嘘のように消え去ったという。

嫁は呆然としてあたりを見回したが、自分たち以外の人間の姿は見えず、
そしてその場にいた誰も、嫁が耳にした声は聞いていないという。

P太はしばらく呆然としていたが、帰りの車の中で徐々に自分を取り戻し、
何があったのかを話してくれた。
といっても、あの縄を超えたとたんひどい耳鳴りと頭痛がして、
その後気がついたら仲間に囲まれて神社の外にいた、ということしか覚えていなかったが。
嫁は持前の霊感のせいか分からないが、P太には分からなかった声の内容が聞き取れたようで、
なんでも「帰さん」「新参だ」「ここにいろ」というような事を言っていたらしい。

彼はその後先輩の勧めで、お払い兼お勤めみたいな感じで、
夏休みいっぱいどっかの寺で過ごしたという。

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