洒落怖
異臭

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葛西副隊長がきた
葛西「うぃーっす」

落「おはようございます」

葛西「夜勤はまったり満喫できたかい?笑」

落「それが、ちょっとありまして…」

葛西「おっ!?とうとう何かあったか!?何?何?笑」
やけに嬉しそうだな…

落「谷さんが来てから話します」

葛西「だね」

762 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 08:36:57 ID:7HPEIl0cO
谷隊長が来た
谷「おはよう」

落「おはようございます」
葛西「おはようです」

谷「では引き継ぎはありますか?」

落「はい 実は昨日巡回中に異臭がありまして…」

変な沈黙が流れる

谷「どこで?」

落「7階です」

谷「7階のどこ?」

落「共用廊下です」

また沈黙が流れる
そして今度は葛西さんが話し出す

葛西「どんな臭いだった?」

落「何かが腐ったような臭いでした」

谷隊長は私が書いた報告書を見て黙っている
書き方が悪かったのだろうか?

763 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 08:38:27 ID:7HPEIl0cO
その沈黙がたまらず、私はどうにか間を埋めたかった

落「一応701、702の店内も確認しましたが、702店内の電気が点いていた事意外は異常ありませんでした」

谷「わかりました 異臭に関しては日勤で対応致します 後はありますか?」

それで終わり?

落「いいえ 以上です」

谷「それでは引き継ぎを終わります お疲れ様でした」

葛西「お疲れ~」

落「お疲れ様でした」

なにか変な感じだ
多弁な葛西さんが全く話さない
仕事に厳しい谷さんがまるで何も言ってこない
何時も話す雑談も今日はなかった
そしてなにより…

私は聞こえてしまった…

帰り際、セキュリティセンターを扉を閉めた時

中から
紙の破る音を…

837 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 20:20:38 ID:7HPEIl0cO
私は帰りの電車の中で、改めて考えてみた

明らかにおかしい
絶対『何か』を隠しているのは確実
今考えるべき事は『何を』を隠しているのではなく、何故隠しているかだ

やはり人に言えない事なのだろうか
もし心霊の類なら、笑い話しで済むような事だと思う
しかし、夜勤常駐の私に言わないということは、やはりヤバイ事なのだろう
で、結局行き着く先は…
『何を』隠しているかだ

果たしてどうしたものだろう
クビ覚悟で点検口を開けてみるか…
でも、こんなオイシイ仕事をなくすのは、ちょっとな…



そうだよ
オイシイ仕事なんだよ
では何故、以前勤務していた2人の警備員は辞めたのだろう…

見てはいけないものを見たから…

やい、やはり非現実的だな…

少なくとも自分の目で確認するまでは…

一先ず、また明日考えよう
いや、今日の夜か…

849 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 23:05:29 ID:7HPEIl0cO
その日20時30分
ビルの前にいる私は、少し躊躇するも、ある『一つの決心』をしてセキュリティセンターに向かった

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