洒落怖
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不審人物
この怖い話は約 2 分で読めます。
意を決してB客室のドアを開け女のほうは絶対に見ないように足を進める。
(人間は、本当に怖いときは走るのではなく、終われないように早歩きで逃げる、という行為をするというのを分かったのもこのときが初めてw)
早歩きで女を見ないように進んでいたが、痛いほど女の視線がこちらに突き刺さる。
ちかくに寄れば寄るほど女が先ほどにもまして独り言を早口で言っているのがわかった。
横を通り過ぎるときにようやく少し聞き取れたんだけど・・・
「あの子はわるいこ・・・あの子はわるいこ」と早口で言ってた。
今にも泣き出しそうになりながらもどうにかA客室に到着し、親戚に抱きつきながら眠れぬ夜を過ごした。
次の日、あの女にまた会わないか心配でフェリーを誰よりも早く降りたんだけど、なぜかどうしても気になり、フェリーから降りてくる乗客をすべて確認してみた。
乗客の中にあの女はいませんでした・・・
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