この怖い話は約 3 分で読めます。
「………もう………、お前は絶対に一人で部室に近づくな。今後は決して一人で入る事を許さない…。」
そしてしばらく間をおき、何か考え込むような表情の後、言いにくそうに訂正した。
「……と言うより、入部して間もないお前に言うのは心苦しいが、もう金輪際、決して部室に近づかないでくれ。
いいか? もう絶対に行ってはいけない。皆には私の方から伝えておく。今ある荷物も他の部員に届けさせるから…。」
俺は「なぜですか?」と問いただしたのだが、顧問は硬く口を閉ざし、その後も決して理由を話さなかった。
そして「もう帰りなさい。」と静かに一言だけ口にした。
正直取り付く島もない上に、自分の中に湧き上がる恐怖を抑えるため、
敢えて「ちょっ! パンツ姿で職員室に駆け込んだんですから、このまま帰宅するのは無理ですよ!!」と
おどけて言う事しか、その時の俺には出来なかった。
その冗談も、決して場の雰囲気を和ませることは無く、むしろ次から次へと湧き上がる疑問と恐怖に支配され、
掻き消されるのであった。
後日、ロッカーの荷物が俺の教室に届けられた。持ってきた同級生は「折角頑張ってたのに勿体無かったなぁ…。」と
ポツリとつぶやいた。表情は硬く、何かを知っているものの、決して口に出すことは出来ないという決意が感じられた。
それ以降、俺は顧問の言いつけを守り、部室には決して近寄らなかった。
859 暗闇の子(5/5) sage 2011/02/11(金) 02:38:46 ID:95h8ebib0
結局そのまま卒業し、あの子供は一体なんだったのか、なぜ誰も何も教えてくれなかったのか、
あの場所で過去に何があったのかという疑問に、答えが出ることは無かった。
後に残ったのは、あの瞬間に感じた背筋の凍るような恐ろしい感覚だけだった…。
————————————————————————————————-
原文を可能な限り尊重したつもりだけど、残念ながら洒落にならないほどは怖くならなかったな…。
