洒落怖
遺言

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やっと終わったと思って顔を上げた瞬間、

グキャッ

と一際嫌な音と共に首が後ろへ曲がる。思わず手で顔を覆ってしまった私を見て
隣にいた中年の男が「生き返ったらいけないからね」と言った。
その日、私は何も食べる気にならなかった。

84 4/4 sage 2010/09/23(木) 14:23:43 ID:B9RdkwNJ0
次の日、父があまり会社を休めないと云う理由で少し早いが遺言書を開く事になった。
父の兄(長男)が「本当は死んだらすぐ遺言書をあけてくれって本人には言われてたんだけど、
葬式も終わってないのに遺言書を見る訳にはいかんからな。」と言うと、父が「今更遺言書って
言われても、もう内容わかってるしな。」と返した。
祖母はすでに亡くなっていた為、実家の家と土地は面倒を見てくれた長男に、後の現金は
兄弟仲良く6等分だと生前祖父がよく言っていたらしい。皆も納得していたので、
公正役場や弁護士は通していない手紙形式のいわば遺書のようなものだ。

長男が遺言書を読み上げ始めて、一同が戸惑いの表情を浮かべた。

「葬儀については、親族のみの密葬で執り行うこと。
村の煩い奴らは火葬を厭いバカにするが、自分は子供の頃から土葬の骨折りがとても恐ろかった。
孫も怖がらせたくないし、どうか火葬で弔って欲しい。」

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