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「F!?」
「なんじゃあら!?」
外にいるみんなが何かに驚いた。俺は不思議と気にならなかった。
壊れたパーツを手でぎゅうぎゅうおしつけてるFNを手伝った。
接着剤をつけてやってたんだ。
「俺なら、ノブを閉じ込めない」
後ろからわずかに英語鈍りの入った声が聞こえたんだ。
俺はFNの補修を手伝ってるはずなのに。
「大体さあ。俺がコレクションねだらないわけないだろ」
そう言われてみるとそうだ。
あいつがきたなら真っ先にコレクションをとってこいと言うはずだ。
だいたい、あいつなら、そもそもコレクションのある場所で化けてでる。
FNは後ろにいる。まちがいない。じゃあ、これはなんだ?
頭がしゃっきりとしてきた。
FNだとおもってたものはそもそも髪が金髪じゃない。黒かった。
全身から一気に力が抜けた。
547 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/24(木) 20:15:10 ID:M1xFXU550
そいつが顔を持ち上げた。
無邪気にわらってる。
全然知らない子。
「ボーイ。道連れが欲しいなら俺にしとけ」
後ろからFNがすっとあらわれた。
俺とぼやけたFNを交互にみたあと、FNが伸ばした手を子供が掴んだ。
ずるんって。子供と一緒にFNが畳に飲み込まれた。
俺は電気をつけた。
荒れ果てた部屋があるだけだった。
補修したとおもっていたプラモは皆もっと酷く壊れていた。
俺の両手は傷だらけで、真新しい傷跡に、プラスチックの破片が突き刺さってた。
扉をあけたら、みんなぎょっとしてた。
FNのお父さんが俺をみてぎゅっと抱きしめた。
「FNが来た気がする」
「ノブ、酷い顔だ」
「救急車呼んだほういい?」
大家さんとFのオヤジさんの顔をみながら俺は意識を失った。
548 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/24(木) 20:18:29 ID:M1xFXU550
変に現在進行形っぽくいじったら逆に不評になったか。
ま、お粗末さまっした。
外人夫婦のところに養子にいった俺の兄貴から聞いた話。
549 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/24(木) 20:28:43 ID:M1xFXU550
いや、嘘はよくないな。ごめんな。
まだ、完全にわりきれてないんだ。
他人事にしたほうが楽なんだ。したいって思ってるんだよ。
あれが本当のことだったとしたら。
俺は結局FNに何もかももらったことになる。返しようもない。
それがとてもつらい。
じゃあな。