洒落怖
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マニュキア
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「今日は急に補講入ったからさー、アレなかったらもっとクオリティ上げてきたのに。あのハゲが」
「十分だろ。メイクばっちりだし、マニキュアまでしてきやがって…」
褒めるようなことは言いたくないが、真知の女装はレベルが高い。しかし、真知は何が気にいらないのか口を半開
きにして「はぁ?」と声を出した。そしてすぐ真剣な顔になる。
「……何色だった?」
「ピンクだろ。何言ってんだよ?」
「どこで見た?」
「部屋の入り口。肩に手なんか回してきやがって、紛らわしい……え?」
真知はにやにや笑いながら、顔の高さまで上げた手をひっくり返して、手の甲を俺に向けた。
白く華奢だが、節がゴツゴツした男の手。その指先にピンクは無かった。綺麗に切り揃えられた爪は素のままで、
どんな色も塗られてはいない――
その後、大笑いする真知を引っ張って俺は部屋を出た。
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