洒落怖
懺悔

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正面の大きなガラス戸は片方が外れていた
中は新築同様だった、すごく異様だった
なんで廃墟なんだ?と思った、すぐにでも利用できそうな状態だった
キレイな廃墟だなと友に言ったが上の空だった

友は帰りたいと言い出した
まだ入り口からすぐの通路だった
俺は2階も見てみようと言った、友は行きたくないと言った
俺は友を意気地なしだと言って2階へ登った

2階に登ると長い通路が待っていた
突き当りまでずーっと窓が続く、学校の廊下のような感じ
その途中にソファーの置いてある喫煙場所みたいなところがあった
そして床にカメラが転がっていた
撮影用だと思う、おおきいカメラ
なんか壊れていて誇りをかぶってた

220 本当にあった怖い名無し sage 2010/05/04(火) 20:27:48 ID:iFjnJ3tm0
俺は急に怖くなったんだ
ここで何かが起こったんだと思った
そしたら1階から友の声が聞こえてきた
叫んでる感じじゃなく一定の声で「あー」と言ってる
急いで降りたら通路の入り口から反対の突き当たりにいた

本当に怖かった
友は突き当たりの壁に大の字になってピッタリくっついていた、壁に向かって

俺は近づいて声をかけたが「あー」と言ったまま壁に向いたままだった
肩を掴んだ瞬間、「ぎゃははは」と笑い始めた、壁に向いたままだ

俺はもうどうしようもなかった
怖くて恐ろしくて、逃げ出した
停めてあった車まで戻ったが鍵は友が持っていた

俺は戻りたくなかった
けどどうしようもなかった、建物に戻ろうとしたら
友が窓からこっちを見ていた

笑っていた
口が裂けるんじゃないかと思うぐらいの勢いで笑っていた
俺は友のイタズラに騙されたのかと思ったが違かった

よく見ると泣きながら笑っていた
窓にべったりとくっついてすごい笑っていた

夕日が窓からずれて反射がなくなり中が見えた
友の周りに、一階の通路を全部埋め尽くすように人がいた
よくは見えなかったが人の形をしていた何かが友に押し寄せるように
満員電車みたいにひしめいていた

222 本当にあった怖い名無し sage 2010/05/04(火) 20:39:25 ID:iFjnJ3tm0
俺はもうその時半分、発狂していたと思う
山を駆け下りて自力で町まで降りてきちゃったんだ

その時はもう夜で俺は何とか駅まで来れた
疲れたという感覚が無かった、少しでもあの場所から遠ざかりたかった
運良くタクシーが捕まり、住所だけ伝えて頭を抱えて震えてた
窓を見たら何かが居そうで怖かったんだ

家に着いたら布団に潜ったが、怖くなってコンビニ行って朝まで過ごした
朝になって落ち着いたら重大な事をしたと後悔した
友を置き去りにした
でも二度とあそこには行きたくない
バイトを無断でやめて、ブラブラしていた
軽く不眠になってファミレスとかで夜を過ごしていた

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