洒落怖
母の母校

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母の回答は、思ったよりもショックなものだった。
母が子供の頃から道路は舗装されていた事、小学校の下に集落は無く、野原だった事、村の行事には利用されていない事、
坊主の男の子は多少いたが、おかっぱ頭はほとんど居なかった事、校舎は2階建てだった事。

私も母も腑に落ちなかったので爺ちゃんに話してみることにした。
すると爺ちゃんは立ち上がり、古いアルバムを持ってきた。
「これか?」と爺ちゃんの指先にあった白黒の古い写真には先程見た校舎が写っていた。
それから爺ちゃんは爺ちゃんが若かった頃の話をしてくれた。

609 3/3 sage 2010/01/07(木) 05:00:25 ID:jX6CFOkG0
昔はあの周りは集落になっていて爺ちゃんも小学校の下から通っていたこと。
あの頃は集落の友達と山や川で遊び、それはそれは楽しかったこと。
第二次世界大戦が起こり、爺ちゃんや友達も参加しなければならなかったこと。
戦争の影響で小学校や集落が焼けてしまったこと。
戦争で友達はほとんど死んでしまったこと。
それでも無事に帰れたおかげで母が生まれたこと。
あれから何十年も経って今では当時の友達は皆逝ってしまったこと。

話しているうちに爺ちゃんは涙を浮かべていた。
そして私に笑顔でこう言った。
「お前が見た子供の中にな、俺の友達がおったのかもしれん。あぁ俺も会いたかったなぁ。」

結局、爺ちゃんは昨日逝った。

あのまま昔から帰れなくても70年後にこうやってカキコしてるんだろうな。

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