洒落怖
寒い場所

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36 本当にあった怖い名無し New! 2009/07/28(火) 18:35:55 ID:DsMBgPRqO
では一筆…

その手のモノを初めて見たのは20歳の頃で、それ以来しょっちゅう見たり聞いたり…たまにちょっかい出されてたりした。
30歳超えた辺りでいい加減鬱陶しくなって『もう知らねえよ』って感じで気にしない様にしてからは、気配ぐらい迄でそれ以上は全く知覚しなくなった。

そんな俺が17~8の暑くなって来た頃の出来事。

東京と神奈川を結ぶ国道の峠道〇〇〇峠に良く単車で走りに行ってた。
その日もいつも通り夜中1時頃から走りに行ってたんだよ。いつもは1人なんだけど、その日は学校のダチ2人と一緒に行った訳。
3人共ノリノリで、ろくに照明も無い中何度も上ったり下ったり往復してる内に一部おかしな区域が有る事に気付いた。

何故か中腹の7~8Mの区域だけ空気がおかしい…もう暑い季節なのにそこだけ温度を感じない様な…相対的に寒い様な…?

何か空気が体に纏わりついて来る様な…例えるならゼリー状の液体の中に飛び込んだ様な感じか。でもそこは未舗装の林道の入口だったから、山の冷えた空気の通り道なのかと思って大して深くは考えなかった。

何度も飽きずにカッ飛んでる内に連れは小休止に入り、俺だけGSでガス補給してそのまま走り続けてた。

キーン!ガリガリ!
突然金属のぶつかる様な音と共に、左足に手応え(足応え?)が無くなり慌てて止まる俺。
暗闇の中チェックしてみたらチェンジペダルのパーツが外れて落下した様だ。

40 本当にあった怖い名無し New! 2009/07/28(火) 18:44:12 ID:DsMBgPRqO
続き

『なぁんだよったく安物のバックステップは本当ダメだなぁ』なんて思いながらも、そのパーツが無きゃ帰る事も侭ならない。仕方なくパーツを探しに闇の中車道を歩いて、落ちていると思しき場所迄戻る事にした。

普段なら時折他の走り屋やトラックなんかも通るのにその日は自分達ぐらいしか居なかった様で、連れも休憩中らしくなんの音も聞こえない完全な肝試し状態。

(さっさと見つけて皆と合流しよう)

ちょっとだけビビリ入りながら30~40M程道を下った所で…空気の違いに気付いた。

なんとそこはずっと違和感を感じてた例の区域だった訳だ。
それ迄と同じ体に纏わりつく空気の中を、泳ぐ様な感覚で進んでる内に妙な圧力を感じ始める。
ふと…見たくも無いのに何故か右に目を向けると、その空間にポッカリと真っ暗な『穴』があいてる様に見えた。
林道だった。林道の入口が生き物の様に口を開けて俺を待っているかに見える。呼ばれている様にさえ感じる。

更に空気が重くなる。

ビビって来た俺は地面に目を戻してパーツの捜索を再開したが、なんと言っても暗闇の中なので捗らない。かなり焦って来たところで漸く見つかった!!重い空気を掻き分ける様に単車迄猛ダッシュ…組み付けてなんとか走れる様になり皆と合流出来た。

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