洒落怖
兄弟イッパイ

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142 5/7 sage 2009/09/26(土) 17:52:56 ID:A1wBbyly0
俺:「で…どうなったの?」
相:「おばはんと一緒にトンネル往復して…なんか途中でお菓子バラまいてましたね頭おかしいっすよ」
俺:「それからなんとも無いの?」
相:「全然。俺小さい頃はそういうの見えてた気ぃするんすけど…あのおばはんは多分偽物っすよ」
俺:「あのおばさんがよく言う兄弟ってその幽霊の事なんかな?」
相:「さぁ…中華まんもう捨てます?どうせ売れないでしょ?」
俺:「食っていいよ…10時間以上経ってると思うけど」
だ、そうで俺がそれやばいんじゃないかと相方に聞いてもヘラヘラ笑ってるだけ
本人が何とも無いと言うのだし、多分そのおばさんも怖がらせるつもりでやったんだろうと思っていた。
それから数日経ってその相方とのシフトの曜日になったが時間になっても相方が来ない
いつもは一時間前ぐらいに来て店内の雑誌をバックに持ち込んで読んでいる奴だったんだが
その日に限って5分前になっても来ない。
電話しようかと思った矢先オーナーがひょっこり顔を出した。
俺:「あれ?オーナー、どうしたんですか?○○は?」
オ:「あー、あの子なぁ…辞めた。というかクビにした」
俺:「……店内不正ですか?」
オ:「いやなぁ…なんかあの子に孕ませられた女の子の親が怒鳴り込んで来てなぁ」
俺:「あらぁ……」
オ:「そうこうしてたら、二人組の若い姉ちゃんが入って来てその片割れが
   ここに○○言う奴おるやろ!?そいつ出せ!!この子赤ちゃん出来たんや!!…と」
俺:「奇跡のバッティングですね……」
オ:「そしたらTちゃん(休日の昼間に入ってるバイトの女子高生)が泣き出してなぁ……
   ”○○君私と付き合ってんのにぃ~!!!”やとさ……」
俺:「ワガママな息子持ってたんですね…あいつ」
オ:「んで、とりあえずあいつ辞めた事にして客帰らせて…あいつに電話して今日付けでクビ、と」
俺:「大変ですね…オーナーも」
オ:「何を人事のように…ワシ腰やってるからレジしかやらへんで」
俺:「ハァ!?ちょっ!!」

143 6/7 sage 2009/09/26(土) 17:57:05 ID:A1wBbyly0
そこまで話して作業に入った俺は客も退けた深夜に件の出来事をオーナーに作業をしながら話し出した。
俺:「いや実はね。大体5時過ぎに来るおばさんが居て……」
そこまで言うとオーナーの顔つきが変わった。
オ:「何!?あのおばはんまだ来とんか!?この店!!」
俺:「いや…え?知ってんすか?」
オ:「何時頃や!来んの!?」
俺:「5時…過ぎぐらいっす」
オーナーはおもむろに豚まん二つを袋に取りだすと
オ:「後捨てといて!!食いたかったら食ったらええし!!」
そういうと雑誌コーナーの写真週刊誌と共にバックに消えて行った。
仕方無く一人で淡々と作業をこなす事数時間。
“ピポピポ~ン”来客を知らせるチャイムが店内になり響く。
俺:「いらっしゃい……ま…」
あのおばさんだ。いつものようにカゴに水風船を詰めている……。
暫くしてレジに来た。
俺:「合計で○○円になります」
しばらくしてもいつものように代金が出て来ないので顔を上げた。
俺:「っ!!」
俺は言葉を失った。何故か顔が泥だらけでおばさんはニヤニヤ笑ってる。
おもむろにおばさんはレジ横に置いてある割り箸を掴むとマイクのように持ち
“ややご~、悲しいややご~、仕事をしておくれ~、ふぁsでぃいwql(聞き取り不可)”
と自作っぽい気味の悪い歌を歌い出した。
ボー然と立ちつくす俺の目の前で割り箸を置きニタニタ笑ってこう言った。

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