洒落怖
203号室

この怖い話は約 3 分で読めます。

419 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 12:39:23.04 ID:9cv8k3Kt0

窓から全く光が入っていなくて、暗かったからかもしれない。写真撮ってすぐに部屋を出た。
残すは左側の洋室だけで、部屋に入ると右側とは違って、夕焼けが差し込んでいて明るかった。すごくほっとしていた。
あーこれでやっとこの部屋から出られるって。
でも、少し様子がおかしいのは、板張りの床に黒い何かがポツポツと垂れていて染みになってたことだ。

420 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 12:44:28.16 ID:9cv8k3Kt0

なんだろうって思ったけど、そのときはそれだけだった。
四方から内観を撮り、最後にクローゼットの中を撮影する。
案の定、この部屋のクローゼットもしっかり閉まってあったから、何の躊躇もなしに開けた。けど、すぐに開けたことを後悔した。
クローゼットの壁に酸化した血のようなあとがべったりと、大きく広がってたんだ。

421 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 12:51:14.83 ID:9cv8k3Kt0

釘付けになってしまっていた私は、数秒たって我に返り、すぐ目を床へと反らした。
けれど、クローゼットの床にも血だまりのような染みができていたのだ。
夕焼けのせいで赤黒く光っているように見え、口から「ひっ」と、声が漏れてしまった。
すぐに部屋を飛び出して、鍵を閉め、一目散に店へと戻った。背中には焦りのせいか、冷や汗が伝ってた。

422 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 12:56:00.98 ID:9cv8k3Kt0

店についたころには気分も落ち着いていて、いつものようにデジカメのデータをパソコンへと取り込む作業に移った。
そのまま帰ってしまったので7,8件しか回れていなかったが、一件につき10枚以上の写真を撮っていたので100枚以上のデータが入っているはずだった。
でもおかしなことに、90枚程度しかない。
どれだけ探しても、203号室で撮ったはずの写真が一枚もカメラの中に残っていなかった。

423 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 13:03:12.69 ID:9cv8k3Kt0

次の日、先輩についてきてもらってもう1度203号室に行ったんだけど、
そこには、3日前から既に人が住んでいた。もちろん水道メーターに鍵なんかない。
大家さんに電話をすると私から電話なんてなかったと言われた。
確認済みのメモだって私の手元には残ってたのに、認めてはくれなかった。

あの203号室は一体なんだったのか、今でもわからない。

424 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 13:07:24.91 ID:9cv8k3Kt0

この怖い話にコメントする

203号室
関連ワード