短くて怖い話
足跡

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知り合いから聞いた話

とあるローカル線の終着駅
その日電車に乗り損ねた知り合いは次の電車を待つために線路の向こうのコンビニで時間を潰そうと陸橋を渡ろうとした
時間は午後五時前
陸橋の天井の灯りがつくのは午後五時。足元もよくわからないくらいの暗さの中を歩いていた
すると何か後ろから誰かが歩いてくるような気配というか物音がする
ふと振り返って見ても誰もいない、ように見える
前を見るとまたヒタヒタと歩くような音というか、気配を音として感じるというか変な感じがする

気持ち悪くなった知り合いは足をとめ、振り向き音の正体を探ろうとした

何もいない…

気のせいか、と思ったそのとき
ヒタヒタという歩く気配がこっちにくる感じがする
ギョッとして身をすくめるとその気配は自分の位置をすり抜けて陸橋の先へと遠ざかっていく
悲鳴をあげて逃げ出したくなったその時、五時になったのか天井の蛍光灯がついた

もちろん誰もいない
ふと、蛍光灯が揺れている気がして注視してみた
灯りでわかりにくかったが蛍光灯の手前には濡れた足跡があった
よく見るとそれは一つだけではなく天井をまっすぐ歩いてくるような形でならんでいた

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