山の怖い話
山に住むもの

この怖い話は約 2 分で読めます。

久しぶりに全力疾走した。
本当に全力で走った。
犬の綱を握ってる手がガタガタ震えてさ、滅茶苦茶怖かったんだ。
ともかく、そこから離れたくて仕方なかった。

全力疾走のまま、家に逃げ帰ってきて、うちの母親にその事を
早口で説明したんだけど、もう本当に半狂乱みたいになっちゃって
とりあえず落ち着け、と言われた。
で、ようやく冷静になった頃に、改めて説明した。
俺の様子が真剣だったから、母親もどうやら冗談の類では無いと思ったらしい。
事実かどうかは疑われたけど
俺としてはバッチリ見ちゃったから本当に洒落にならなかったんだ。

で、後になって「あれは山の神様の類なんじゃないだろうか」と思い始めて、
近所の爺ちゃん婆ちゃんにちょっと聞き込みしてみたんだよ。
でもその山も別に霊山じゃ無いし、特に奉ってる神様もいないらしい。
橋を作る際も、ちゃんとお祓いしてたし、工事も問題なく進んでたみたいだ。
町の資料館とかにも行ってみたんだが、
漁師町だから海に纏わる話とかは出てくるけど
山に関しての逸話は少なく、それらしいものも見当たらなかった。

俺が見たあの白トカゲは何だったんだろうか。
未だにわからない。

この怖い話にコメントする

山に住むもの
関連ワード