山の怖い話
分岐点

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トンネルを後にした俺達は、トンネル内で撮った写真に何か写っているかなみたいな話題をしながら山を下り始めた。
来た道を戻るだけなのでサクサク進んでいったが、不思議なことにずっと同じ道を廻っているような感触。
最初は気にせず進んでいたが、どう考えても山を降りることができているくらいの時間が経過し、道に迷ったと悟った。
特に迷うような分岐はなかったはずだが、間違った可能性があるので再度トンネルを目指して戻ることに。

かなり長い間足を進めたがトンネルにすらたどり着けなかった。いったい俺達はどこにいるんだーとパニくりはじめたとき
地図を眺めていたBが突然悲鳴を上げて転倒した。

558 4/8 sage 2009/04/18(土) 12:35:52 ID:IZkfOfTn0
658 :トロンパイ:2009/03/11(水) 03:00:19 ID:K8iAqaBJ0
「どうした!?」とBに光を当てる。
B「な、なんかが降って来た!!」
なんだなんだとあたりを見回すと一匹の猿が飛び回っているではないか。
野生の猿なんて見たことなかったし、そもそもこの山に猿がいるということも知らなかった俺達は驚愕したものの、ちょっとだけホッとした。
B「なんだよ、猿かよ。驚かせやがって~…あ!!」
またもやなんだなんだと俺達はどよめくといち早く気づいたAが叫んだ。
A「Bのバカが猿に地図取られとる!!」
猿を照らすと確かに猿が地図を持って跳ね回っている。
AとBが地図を取り替えそうと飛び掛るも、猿は颯爽と林の中に消えてしまった。

困り果てた俺達だったが、あまりにも素早く猿が逃げ去ったので猿を追うこともままならず
とりあえず山道を下ることにした。当然分岐がきても勘でしか選べない。
まぁなんとかなるか~と猿アクシデントで逆に吹っ切れた俺達は猿を罵倒したり、
好敵手として讃えたりしながらぐんぐん進んでいった。
すると思いのほか早く分岐にたどり着いた。

右と左、どちらの道にするか。道を照らし、風景を必死に思い出して空っぽの頭をひねっていると、
「なんか左の道にある!」というAの指摘の元、左の道を調べると、なんとトンネルのキツネ地蔵があるではないか。
来た道にはそんなものなかったはずなのに。怪現象に驚くというよりは、いかに最善の道を選ぶか必死になっていた俺達は
来たときはなかった地蔵がある=その道は間違った道、ではないかという考えの検証に夢中だった。
その結果、俺・B・Cは右の道を選ぶと主張したが、Aが猛反対。
これは本体である俺を助ける地蔵の導きだと主張して一歩も譲らなかった。

B「こんなときにネタはやめろ!」A「いや本気だ!」
AとBの口喧嘩にひたすらオロオロする俺とC。
そんなカオス手前の状況の中、右手の道から地図を持った猿が突如出現。あまりにも早い再会にも驚いたが、
猿が「こっち!こっち!」みたいに見えるジェスチャーをするのは夢でも見ているのかと思うほどたまげた。
突然の新展開にさらに困惑していると、Aが無理やりBを左の道に引っ張っていった。

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