心霊スポット・肝試しでの怖い体験
スカートの女

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702 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/03/16(金) 01:01:57.41 ID:TPyLNfC40
 バイクの停めた場所へ戻ってきた時、先生は、もう少しあそこにいれば、もっと色んな体験ができたかもしれない、とを思い少し後悔したそうです。
 ですが、やはり怖い気持ちが残っていたので、来る時はひとりで乗っていたバイクに、友達四人の内のひとりである、Aさんという女性を後ろに乗せて、地元まで帰ったそうです。
 帰り道の間中、Aさんは、先生が怖くないように気を使って、普段の何気ないどうでもいいような笑い話をたくさんしてくれたそうです。

 先生たちは無事、地元へ帰り、よく集まっていたファミレスで食事をしました。
 先生は、そこで、先ほど自分が見たものについて、興奮気味に話したそうです。
 その時はもう、怖い気持ちはどこかへいって、何よりも幽霊を見たかもしれない、という事実にただただ、興奮していたそうです。
 友達たちも、しきりに怖がったり、冗談めかしたりして、肝試しとしては成功だ、なんて喜んだそうです。
 ただ、Aさんだけが、どこか浮かない顔で、俯き加減だったのを、先生は今でもよく覚えている、といっていました。
 
 ファミレスを出て、友達たちは、それぞれの家に帰っていきました。ですが、Aさんだけが帰ろうとしません。
 先生は不思議に思って、Aさんに、どうして帰らないのか尋ねました。Aさんは先ほどからずっと俯いたまま、一言も喋っていません。
 先生は徐々に、山の中での出来事を思い出し、怖い気持ちになってきました。Aさんの様子が明らかにおかしいからです。
 先生は本当に怖い気持ちになっていました。
 帰り道の間中、あんなに楽しいおしゃべりをしてくれたAさんと、今目の前で俯いたまま黙っているAさんが同じ人物に見えなかったからです。
 先生は、Aさんに尋ねました。ひょっとしてAさんにも何か変なことがあったのか、と。
 その言葉に、ようやくAさんが視線を上げました。
 Aさんはいつも笑顔を絶やさない明るい人だったそうですが、その時、先生は初めて、Aさんのそのような表情を見たそうです。とても暗く、苦しそうな表情だったそうです。
 Aさんはゆっくり話しはじめました。
 

704 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/03/16(金) 01:03:49.99 ID:TPyLNfC40
 これから当分の間、バイクには乗らない方が良いこと。
 家にも帰らないほうがいいかもしれないこと。
 もし神社かお寺に知り合いがいるのなら、すぐに相談した方がいいこと。
 そして、Aさん自身も、家には帰れないのだ、ということ。
 先生は、Aさんがなぜそんなことを言うのか、わかりませんでした。
 先生は素直に、Aさんに、なぜ家に帰ってはいけないのか、バイクに乗らない方がよいとはどういうことか、そして、そういった知り合いはいない、ということを話しました。
 先生の最後の言葉を聞いて、Aさんは明らかに落胆したそうです。そして、Aさんは意を決したように、先生に向かってこう言ったそうです。
「こういう話自体したくない。けれどそれでは、あなたは私の言うことを守ってくれない。だから、正直に話します。どうか信じて欲しい」
 先生は強く頷きました。Aさんは声をひそめて、それはそれは小さな声でささやくように話し始めました。先生はこの時の話を今でも夢に見るそうです。それほどまでに怖かったそうです。
「まず、私は最初肝試しに付き合うつもりはなかった。急遽来れなくなった友達の代わりに連れてこられただけで、本意じゃない。
そして、やはり軽い気持ちでああいう場所へは行ってはいけない。本当に触れてはいけないもの、というのが世の中にはある。そして、あなたはそれに触れてしまったらしい。
帰り道、私はずっと明るい話をしていたけれど、それはあなたが怖がっていたからじゃない。私が怖かったから。だって、見つかってしまったんだもの。ずっと追いかけてくるんだもの。
いい? ちゃんと聞いてね?」
 先生は寒くて寒くて、ずっと背筋が凍る思いで、Aさんの話を聞いていたそうです。
「バイクのバックミラー、あそこに、ずっと、映ってたよ。あなたが見た、その白いスカートの女の人。それと、、、」
 Aさんは視線を、先生の足元に落としました。
「さっきからあなたの足元で、その女の人が、私のこと、じっと、見てるの」

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