後味の悪い話
韓国のミュージカル

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長めです。すみません。

韓国のミュージカルを日本で翻訳劇として上演したお芝居、パルレ(洗濯)が後味悪かった。

舞台は現代、ソウルの下町。
主人公は地方からソウルに出てきて自活している24、5の女の子。
これといって特徴のないどこにでもいるタイプの女性で、いま恋人はいない。
事情があって、ある長屋に引っ越してきた。

長屋の大家は金にうるさく、何かにつけギャンギャンわめく中年女。
主人公の二つ隣に住んでいるのはだらしない感じの女性でヒモと同棲している。
さらに隣室からは毎夜おかしなうめき声が聞こえてくるのだが、その部屋に出入りする人間は誰もいない。
主人公は早くも長屋での暮らしに不安を覚えるのだが、ある日、屋上で金盥に水を張って洗濯し、ロープに洗い物を干していると、隣の長屋の屋上で同じように洗濯をしていた男に声を掛けられる。
その男はモンゴルからソウルに出稼ぎに来た外国人労働者ソロンゴだった。
はじめはソロンゴにあまり関心のない主人公だが、段々と彼の優しい心に惹かれるようになっていく。

さて、主人公は本屋で働き始めるのだが、その本屋はワンマン社長の下で不正な取引ばかり繰り返して本業がおろそかになり、業績は急速に下降中。
社長の右腕と呼ばれる有能な女性(主人公の上司)が一人奮闘している状態。

383 : パルレ 2/4 : 2012/03/29(木) 19:06:45.89 ID:0pP5tPvB0
以上が主人公とその周囲の登場人物の状況。
途中経過は割愛して、それぞれの結末だけ記す。

大家→主人公の隣に住んでいたのは先天性四肢切断の障害を持つ大家の娘だった。
彼女は主人公と同じくらいの年齢だが生まれてからずっと長屋の一室のベッドの上で過ごしてきた。
この娘は大家の元夫との子ではない。元夫がDVに浮気を繰り返していたのでその報復に浮気をしたら娘ができてしまったのだった。
主人公がこのことを知ったのは、ソウル市の役人が定期訪問に来た際、大家と喧嘩し、長屋中に聞こえる声で娘の障害について喚き散らしたから…。
大家にはもうひとり息子(嫡出子)がいるのだが、この件で愛想を尽かして出ていき、経済的に母を援助するのを拒絶している。
が、物語のラストでは事業に失敗したため母を頼って長屋に引っ越してくる。

隣人女性→無職の暴力男のヒモを追い出すことに成功するが、大家に「あんなにあんたのことをわかってくれる男はいない」と説得されてヒモと再び同棲することを決意。

384 : パルレ 3/4 : 2012/03/29(木) 19:07:36.55 ID:0pP5tPvB0
ソロンゴ→工場で働いているのだが、ビザがないことを逆手に取られ、給料未払いの状態が続いている。
ある夜、いつものように工場長に「お金下さい」と電話しているところを大家とその酒飲み友達に見つかる。
彼らはソロンゴのような外国人労働者に仕事を取られたブルーカラーで、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすべくソロンゴをたこ殴りにする。
部屋を追い出されると行き場がなくなるソロンゴは黙って暴行を受け続ける。
そこへ主人公が偶然通り掛かり、ソロンゴを庇うのだが、「女の癖に男に逆らう」ことや、「外国人がこの国の女まで持っていく」ことにさらに逆上し、暴行は激化してしまった。
暴行後、主人公とソロンゴは彼らを訴えるでもなく、泣き寝入り。
ソロンゴと主人公が暴行を受けた飲み屋街には、「我慢強く逃げ出さないベトナム人を妻として斡旋します」という看板が掛かっていてそれも気分が悪かった。

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