洒落怖
潜水艦の呪い

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425 呪われた潜水艦 sage New! 2013/01/03(木) 23:27:04.85 ID:WYP0FlEK0
U65は1917年の末までに敵艦を何隻も沈め、イギリス海峡のパトロールの任務もきちんと果たしていた。

しかし乗組員たちの恐怖心は一向に収まることはない。
ある航海士が、またもや甲板を歩いてへさきまで行き、そこで消えてしまった人を見た。

仲間に話すとそれは絶対シュワルツだと言われた。
艦長にも報告したが、「錯覚だ。何かの見間違いだ。怖いと思っているからそんなものが見えるのだ。この小心者が!」
と逆に怒られた。

しかしある日、艦内の航海士が、甲板の上で座り込んで怯えきっている艦長の姿を目撃した。
艦長もシュワルツを見たようだ。

「俺の船は絶対悪霊にとりつかれている・・。」

だが艦長はシュワルツの噂のことを知っていても、それを自分が見ても、絶対認めようとはしなかった。
逆に怯えている人間を「腰抜け」「小心者」と怒り飛ばしていた。立場上、そうせざるを得なかったのだ。
しかしU65が物資の運搬や船内の整備に港へ寄った際、敵軍機の奇襲で艦長は即死してしまった。

427 呪われた潜水艦 sage New! 2013/01/03(木) 23:30:55.18 ID:WYP0FlEK0
1815年5月、U65はイギリス海峡からビスケー湾に向かって出航した。新メンバーによる初の出航である。
しかし不慮の事故は相変わらず続いた。出航して二日目に魚雷砲手がいきなり気が狂って暴れ始めた。
仲間が取り押さえて沈静剤を打ち、いったんはおとなしくなったものの、艦が浮上している時にその魚雷砲手を気分転換にと仲間が甲板へ連れていったところ、
魚雷砲手は突然甲板を走り出し、そのまま海へと飛び込んだ。
海がシケて艦が大揺れしている時に機関主任がころんで脚を骨折したり、浮上してイギリスの商船を甲板砲で攻撃している最中には、
砲撃手が高波にさらわれて行方不明となったこともあった。
また、敵機と遭遇して、逃げきったと思って浮上したとたん爆撃を浴びせられるというミスもあった。
新艦長もこの艦が呪われた船だということは十分聞いていた。艦内でも不慮の事故が多いのに、この上で敵と戦闘にでもなったら
今度こそは全員が死ぬのではないか。

艦長にも乗組員にも不吉な予感が走る。U65はなるべく敵とは会わないように会わないように心掛けながら慎重に帰途についた。

428 呪われた潜水艦 sage New! 2013/01/03(木) 23:34:45.24 ID:WYP0FlEK0
ようやくゼーブルージュの基地に帰りつき、全員がほっとした。
今回の任務はこれで終了し、乗組員のうちでリューマチを患っていた男が艦を降り、入院することになった。

数日後には再びU65は新しい航海へと出ることになる。
そして次の出発を明日に控えたある日、
リューマチで入院している仲間を見舞いにU65の乗組員の1人が病院を訪れた。

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