洒落怖
拒否

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ようやくペンションについて、ロビーにYさんがいたんで、
「か、かえるわ!ちょっとおれの荷物もってきて!!すぐ!」と何故か命令。
Yさんの両親もやってきて、どうしたの、何かあったの、とすごく心配してくれてたとおもう。
「○○駅でおりて!写真とってたらじんじゃの、と女の子の!」と俺は頭抱えながらパニック。
Yさんの両親は、荷物を取ってきてくれたYさんに「すぐ××駅に連れてってあげな!」とか言ってた。

あぁ、駅まで車で乗せてってくれるんだな、とフラフラ立ち上がって、Yさんに続いてペンションの玄関をくぐろうとした瞬間、
Yさんが「うわぁっ!!」と大声あげて一歩退いた。
Yさんが玄関扉を開けた陰から、1mくらいの灰色の肌した裸の坊主頭が、うつむいたまま佇んでる。そんで、瞬きしたら消えた。
俺、それを見た数秒後に「うぉぉぉっ!!」と、なぜか時間差で絶叫。尻もちつく。
「いいから!!いいから!行くぞ!」とYさんは俺を起こして、バンタイプの車の助手席に俺を押し込んで、走り出した。

791 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/09/08(日) 19:24:04.22 ID:0qtsdPEg0
俺は助手席で、ずっと歯食いしばって目瞑って。まだなんだか熱あるみたいに苦しいもんで。
でもYさんも息が荒くなってるようだったし、運転しながらすごく緊張しているんだろうことは伝わってきた。
Yさんにも、俺が見たぐにゃぐにゃとかが見えてたのかもしれない。

で、ペンション最寄の駅からだいぶ離れた、割と大きい駅に着き、Yさんがまだ朦朧としてる俺の代わりに切符とかを買ってくれた。
「すぐに電車乗って、途中で新幹線に乗り換えて帰れよ?大丈夫か?」と俺に切符と荷物を渡す。
今すぐでも逃げたいもんだから、俺は「あぁだいじょぶす。あぁあーおつかれさーん!」と酔っ払いの適当な返事みたいのをして、
改札を通った。今になって思えば、ホントにYさんごめん。

電車がだんだんと距離を走っていくにつれて、気分が少しづつ楽になっていくのがわかったよ。
でもさっきの恐怖感だけははっきりと記憶に焼きついているし、身体はすごく消耗してるんだけど。
関東に入る辺りで、「二度とくんな」とか「次来たらゆるさねー」みたいな誰かが怒ってる感じがした。
頭の中で声がした、とかじゃないんだけど。すごくそう感じた。
そして、一気に高熱状態みたいなテンパりが消えた。これが不思議だった。
とにかく、その日のうちに家まで帰ったよ。

792 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/09/08(日) 19:25:27.63 ID:0qtsdPEg0
後日、Yさんにお詫びの意味も兼ねてLINEでメッセージ送ったら、
「無事帰れたみたいで良かった。でも、もうあんまりこっちにはこない方がいいかも。」と言っていた。
なので、そのうちまた、どこかで会って話をしようという話をした。
俺だってもうあそこには行きたくない。今あの恐怖感を思い出すだけでもブルッとするし。

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