洒落怖
下水管で

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「どうしたの?」
森脇君も反対側のほうを見たんです。
今度は森脇君が、ビクッ、と恐怖の顔になった…。

その丸い下水管の外。
丸く見える空間に、逆さになった女の顔があった。
上から顔を逆さにして、こちらを覗いていた。
顔は暗くてよく見えないが、長い髪の毛を垂らしている。
ふたつの目だけが光って見える。
その長い髪が風にそよいで、ユラユラと動いている。

森脇君は凍りついてしまった。
でも、逃げ出すことも出来ないから、そのまま怯えたまま、逆さになった女を見ていた。
すると下水管の中で、女の声が響き渡った。

「見つけたよ………」

その声に、森脇君の背筋が凍りついた。

今まで身動きもしなかったカッちゃんが、
「ウワーッ!」
突然叫んで、下水管の反対側から逃げ出した。
森脇君も逃げ出したいけど、自分のほうには女の顔がある。
逃げ出したくてもそっちには逃げられない。
カッちゃんが逃げ出したほうへ、森脇君も慌てて四つん這いになって逃げた。
「ギャーッ!」
叫びながら下水管を抜け出して、一目散に逃げ出したんです。

971 名前: ④ 2006/08/02(水) 13:35:55 ID:jFmpf9Nx0
下水管を出たら、カッちゃんは凄い勢いで夏草の生い茂る草むらを
“バサバサッ!”
と、かき分けて逃げて行く。
森脇君も必死でカッちゃんの後を追いかけていったんだけど、とても追いつけない。
「カッちゃーん、待ってぇーっ!」
叫んでもカッちゃんは止まってくれない。

すると自分の後ろから、女が髪の毛を振り乱して凄い勢いで、
“ザザーッ!”
草音を立てて後からドンドンと迫ってくる。
もう、怖くて仕方がない森脇君。

「カッちゃん、助けてーっ!」

泣き叫びながら逃げる。
でも、森脇君の背後には、女が髪を振り乱してドンドン迫ってきている。
泣きながら走っている森脇君は、
『もうだめだぁ』って思った
幸運にもその時大声にきづいたパトロール中のお回りさんがきてくれて
森脇君は泣きじゃくりながら抱きついた

恐る恐る森脇君は後ろを振り返った、
でももう何もいなかったそうです………

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