ホテル・旅館
鏡と影

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曇りガラスの向こう側の狭い脱衣所に(確かに内鍵はしめた)

人間とは思えないような全身の黒い影が(2mくらいあったかも)

行ったり来たりしてるのを見た

本当に恐怖を感じる時は、悲鳴もでないものだと初めて知った
夢であって欲しいと思った。

でも、何度目をつむっても、こすっても、黒い影がいったりきたりしている

後で、考えてみたら何で俺は、そいつを凝視していたのか分からない
でも、彼女の肩をギュット抱きながらおれは夢中でそいつを見ていた。

彼女のことを一瞬忘れていた。

はっとして、黙っていた彼女の顔をのぞき込んだら、失神か痙攣か
白目をむきかけて、瞼がヒクヒクしていた

おれが、彼女を揺すっても、だらんとなってしまっていて
気が動転した。と同時に涙が出てきた

気が動転していたが、どうにかしようと思って
奴を見ないようにして、蛇口をひねって桶に水をためてバシャっとかけた

彼女は、びっくりしたようにすぐに正気に戻って、また指をさして
今度は「キャー」って大声で叫んだ

616 610の続き sage 2009/08/15(土) 23:05:56 ID:vT8yIhvE0
奴は、まだ、いったりきたりしていたが今度は、曇りガラス戸の前で
ピタット とまった。

やばい入ってくる もう殺されると思って覚悟をした

俺は、震える彼女の肩を掴んで、見えないように

二人で浴槽の壁側にくるっと背向けた

震えながら、だいたいそれから10分位たってから

恐ろ、恐ろ脱衣場の方を見てみると、そいつは消えていた。

彼女は、しゃべれない人になったようになっていた。
おれも、気が狂いそうだっだが、恐る、恐る曇りガラスの戸をあけて
狭い脱衣場を見たが誰もいない。内鍵は確かにしまっていた。

浴衣みたいの、速効着替えてフトントにどなりつけてやろうと思った

フロントに向かう途中(この時夜の11時位だった)で彼女に
今すぐここをでようといったが、帰りの車も怖いからホテルに泊まりた
いといった。

しかし、おれは、そこでまたあのカガミのことを思い出した。

彼女の恐怖体験は、黒い影だが
おれは、この後もっと恐ろしい恐怖を味わい、少しチビッテしまったのである

633 610の続き sage 2009/08/15(土) 23:47:34 ID:vT8yIhvE0
俺は、怒りに満ちていた。
絶対、うちらと同じ経験をしてた他の客もいるだろうと
知っててこんな思いさせてやがったら許さないと思った

そして、フロントの呼び鈴をならした所、あのオヤジがでてきたのである。

おれは、怒鳴ってまくし立てた。
「なんなんだよ。あの風呂は!何であんな物がでてくんだよ。」

すると、オヤジが「ゴキブリですが?すいません。」
とニヤニヤするから、ますます俺は切れて
「お化けだが、死神だかわかんねえけど変なのがでたぞ。今すぐ見てこい」
っていってやった。

オヤジは、はっとした顔になって風呂場を見にいった。
うちらは、フロントでまっていた。
彼女は、憔悴しきっていた
が、おれがオヤジにくっててかかるの見て、 「やめようよ」の連呼だった
しかし、こればっかりは俺も気が気じゃなかった。
俺は、一刻も早くこのホテルを出たかったにもかかわらず
彼女は、車で帰る時を考えたらもっと怖いと泣いていたので
やむを得ず、部屋を変えてもらう必要性があったからだ
ましてや、こんな恐怖体験をするなんて考えもしない
あの部屋に戻ったら、カガミが・・
何が起こるかは容易に想像できた・・

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