この怖い話は約 3 分で読めます。
とにかく、私と母は布団に戻った。
なんだか様子が心配で、少し近くに寄って行って眠ろうとしたのを覚えている。
そして少しウトウトしてきたな・・・そう、思ったときだった。
「ッ・・・・・!!!」
母が息を呑んで、私の腕を思い切り強く掴んだ。
私は驚いて母の顔をみると、渋い顔をして「いや・・・」とだけ言った。
私は母の腕をがっしり掴み聞いた。
「どうしたの?どうしたの?」
(やっぱなんかおかしいな、ユウレイかな、でもユウレイが出たとして反応が薄すぎないかなあ、というかむしろ寝言なんじゃねえかなあ)
なんて、そのときは妙に落ち着いた心境だった。
「なんでもない、大丈夫」
母はそういうばかりで、私もそれを信じた。
その後はそのまま、母の腕をガッチリ握ったまま寝た。
それ以降は何ごともなかった。
・・・・とここまでは、私個人の視点からみた体験である。
ホテルも出て、北海道から埼玉へ帰ってきてしばらくしたあと、母が少し顔を青くして話し始めた。
「マジなやつ見たかもしれない、あの時」
忘れかけた頃とはいえ、すぐに察しがついた。
197 本当にあった怖い名無し sage 2011/08/20(土) 22:18:25.87 ID:7oYf09HB0
母はあのときあの部屋で寝ていた時に「それ」を見ていた。
丁度うとうとし始めると「それ」が溺れていた。
3,4歳の男の子が足と足の間でもがいていた。
水の中で聞こえるような甲高く苦しそうなうめき声。
「うぎぃぃ~~~~ぃぃいいいいいい~~~~」
腕で母の足の間を、なにかを掴もうと必死になっているのだろうかひたすらもがくのだという。
ぼんやりと影で見えるのだが、何故かはっきりとわかった、と母はいった。
そしてそれは、母が完全に目をさますと、消えてしまうのだという。
それを実は私が来る前に一度、私がいたときに一度、二回も体験していたというから、恐ろしい精神力だなと思う。
そして私が腕を握ったあとは、それが無くなった、そういう話だった。
「何も言わずにごまかしたのはな、もしあの時言ったら、お前ねれなくなってただろw」
母は笑うが、それは今でも大いに感謝している。確かに私がそれをあの時聞いてたら、パニックになっていたと思う。
「それで、調べたんだよ、ネットで」
「あのとき女将さんが、ワカサギ釣りで事故があって人が死んだっていってたよな」
ゾッとした。
「まさか・・・・」
「一月に、3歳の男の子が、落ちて、溺れて死んでたって。ちゃんとニュースになってた」
198 本当にあった怖い名無し sage 2011/08/20(土) 22:20:21.04 ID:7oYf09HB0
オシマイ
ほぼ脚色せずに書いたら、あんまり怖くなくなっちゃったかな。
長文読んでくれた人はありがとう。
横で母がガチの霊体験してるときに、私には何も見えて無かったって言うのがちょっと気味悪かった。
あのあと母にまとわりついてるとか、そういうことは全く聞かないから、もしかしたら霊じゃなくて幻覚かもね。
因みにこの出来事はエミリーローズを見に行った後のことだから、それに影響受けてたのか、なんなのか。
今度何も無いところで焦げ臭い臭いを感じたら、気をつけようと思う。