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怨念

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怨念

昔々、ある村が干ばつで困ったときに、一人の男の雨乞い師が村に訪れた。
「この村で最も価値のあるものをくれるのならすぐにでも雨を降らしてみせます。」
村人は゛雨が降らなければ殺す゛というのを条件に男に雨乞いを頼んだ。
早速雨乞いをはじめた男。
男は隣村で雨が降ったことを知っており、必ず降ることを予期して雨乞いをはじめたのだった。
が、男の予想とは裏腹に雨は一向に降る気配をみせなかった。
降らなければ殺されてしまう。
そう思った男は藁にもすがる気持ちで三日三晩祈り続けた。
それでも雨は降らず、村人達は怒り、命乞いをするその男を生き埋めにしてしまった。
その日の夜、村に大雨が降り村人達は大層喜んだが、生き埋めにしてしまった男を哀れにおもいすぐに掘り起こしにいった。
しかし、埋めた場所を掘ってもでてこない。
どこを探しても一向に見つからずに村人達は引き返していった。
村人達は日が明けるまでその雨を浴び続けて喜んだ。
一ヶ月後、その村からの商人がこないのを不思議に思った隣村の村人が村を訪れると、
そこには真っ赤に染まった土、周りにある木々は全て枯れ果て、草木一本はえていない無人の廃村になっていた。
あたりには凄まじい血の匂いがたちこめていて、真っ赤に染まった人骨がいたるところに転がっていたそうだ。

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