この怖い話は約 3 分で読めます。
そう考えた私は、彼の抑止を振り切り、先生に
「安川君がうんこしたいって言ってます。」と伝えた。
わざわざ先生に接近して、小声で伝えたのは私なりの彼の名誉への気遣いであった。
510 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/01/02 01:45
しかし、先生はそんな私の気遣いに気付かず
「安川君、ガマンできそう?もう出ちゃいそう?」
とバス中に響き渡る大声で彼に問い掛けた。
安川君の恨みがましい視線が私に突き刺さる。
一瞬で車内には静寂が訪れ、皆の注意は『うんこがもれそうな安川君』に集まった。
先生が彼の隣の席へと移動したので、隣だった私は先生の席へと移動が出来だ。
「爆心地は避けれた!やった!」
不謹慎だが私のその時の素直な心境はそうだ。
最早私に出来ることは祈るだけだったが、「安川君がうんこをガマンできますように」 なんて祈ったら神様に怒られそうだったのでやめた。大人しく事の成り行きを見守ることにした。
先生は「ガマンできそう?」とまだ問うていた。安川君は半泣き状態で
答えようとしない。
私は考えていた。もし「もうガマンできません」と彼が答えたら先生はどうするのだろうかと。幼い私の出したベストの答えは『バスを停車して道の端にうんこする』というものだ。それ以外に考え付かなかったという事もあるが。一休さんでもそう答えるであろう
ベストの回答を、もしその時が来れば先生も選択するだろうと思っていた・・・。
511 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/01/02 01:45
Time is come—そして時は来たれり
先生の「ガマンできる?」の問いに遂に彼が首を 横 に振った。
『WARNING WARNING 爆発秒読み開始
乗組員はすみやかに退避せよ』 緊急コールが脳内に鳴り響く。
しかし我々には逃げ場は無かった。
モーゼにすがる民草のように我々は先生の決断を待った。
モーゼの口から決断の言葉が吐かれる
「安川君は一番前の席へ、前の席の人達は後ろの座席へ下がって!」
意外なモーゼの言葉に私は呆然とした。席を移動して何の解決になるのだろうかと。しかしその疑問はモーゼの手にしたものによって一瞬で掻き消えた。
モーゼの手にあったもの・・・それは
『バケツ』
そう、『ゲロバケツ』として搭載されていたあのバケツである。
流石にモーゼがそのバケツを何に使用せんとしているかは理解できた。
モーゼは海を割る変わりに 『ゲロバケツ』 を 『うんこバケツ』
へと変身させようとしているのだと。
512 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/01/02 01:45
モーゼの導きにより、民族大移動は終了した。
しかし、それで終わりではない、いや、地獄はこれからなのだ。
皆が顔を見合わせる。何を喋ればいいのかわからない。
来るべき地獄の時を皆が、最大級の静寂という最悪の状況で迎えようとしたいた。
あいうえお