サイコ
マネキン

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ふすまが開いていて(S子が見た部屋がどうかはわかりません)、部屋の様子が見えた。
浴衣を着た男の背中が見えた。
向こうに向いてあぐらをかいている。
音声は聞こえないが、テレビでもついているのだろう、背中にブラウン管かららしい、青い光がさして、ときおり点滅している。だが何度呼びかけても、男は振り返りもしないどころか、身動き一つしない・・・。
気味が悪くなったので、そのまま家に帰った。

F美の家に男はいないはずです。
たとえ親戚や、おばさんの知り合いであったところで、テレビに背中をむけてじっと何をしていたのでしょう?
それとも、男のパンツは彼のだったのでしょうか。

もしかしてそれはマネキンではないか、と私は思いました。
しかし、あぐらをかいているマネキンなどいったいあるものでしょうか。
もしあったとすれば、F美の部屋にあったのとは別のものだということになります。

あの家にはもっと他に何体もマネキンがある・・・?
私はこれ以上考えるのはやめにしました。

あれから14年がたったので、今では少し冷静に振り返ることができます。
私は時折、地元とはまったく関係ない所でこの話をします。
いったいあれが何だったのかは正直今でもわかりません。
もしF美たちがあれを内緒にしておきたかったとして、仲の良かった私だけならまだしも、なぜS子にも見せたのか、どう考えても納得のいく答が出ないように思うのです。

そういえば、腕をWの形にしているマネキンも見たことがありません。
それでは服は着せられないではないですか。
しかしあの赤い服は、マネキンの身体にピッタリと合っていました。
まるで自分で着たとでもいうふうに・・・

これが私の体験のすべてです。

425 名前:かおる 投稿日:02/02/07 01:02

慣れてなくて、切れ目が多くなってしまいました。ごめんなさい。
あのマネキンの家がどうなったかはわたしも知りません。
母親が再婚して別の家に移ってしまったので・・・

心霊話じゃなくて、あんまり恐くないかもしれませんけど、あの時ほど恐くなったことはありませんでした。

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