占い・おまじない、呪い
死人を占う

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21 5/7 2007/07/12(木) 18:42:34 ID:ADNjttJI0

友人「それで色々質問してみた。いつからここに居るのか、ここにどうやって来たのか、どこに行くつもりなのか、と」
「そうしたら結構簡単に分かったよ。ここには会社に行く途中に通りかかったらしい。信号がどうしても渡れない、急いでいるのに・・・って困った様子だった。なんとかしてくれと誰かに頼みたいのに、誰も振り向いてくれない、と」
俺「あの駅の側かぁ・・・何か事故でもあったのかな?」
友人「後で調べたら、2ヶ月くらい前に交通事故があって、通勤途中の男性が死んでる」
俺「なるほど、それか。で、どうしたんだ?」
友人「こう言ったよ。あの信号を渡る必要はありませんよ、会社に行く必要もない。あなたには他に行かなければならない所がある、って」
「そこの信号機の下に花が置いてあったから、そこに行って花に触れなさい、そして自分の名前を声に出して言いなさい、と言ったよ」
俺「ふーむ、なんかのおまじないか?」
友人「まぁそんなようなものかな。その花は、その人のために置かれたものだと思ったからさ」
俺「それで無事に?死んでるのに無事っていうのも変な話か」
友人「うん。信号機の所で、すーっと消えたよ。ちょっと供養もしておいた」
その後、友人は新しい花を買ってそこに置き、お祈りしてきたらしい。

22 6/7 2007/07/12(木) 18:43:27 ID:ADNjttJI0

友人「いやぁ、ほんと、慣れない事はするものじゃないね」
俺「あー、まったくだ。なんで占いなんてやろうと思ったんだ?」
友人「なんか良くない?美少女占い師、って。ミステリアスっていうか、なんというかグッとくるでしょ」
「美」なのかどうかは人の好みだが、確実に「少女」ではない、という突っ込みはやめておいて、調子にのっている友人に他の点を攻めてみた。
俺「でも一度見ようとして諦めて、結局普通に成仏させて終わった訳だな」
単純な友人は少しカチンときたらしい。それでか、渋々とこんなことを言った。
友人「実を言うと、見えなかった訳じゃない」

23 7/7 2007/07/12(木) 18:44:10 ID:ADNjttJI0

また強がりを、と思いつつ嫌味半分で聞いてみる。
俺「そら凄いねぇ、どうやって見たんだ?それで一体何が見えた?死んだ人の未来には」
友人「直に見た。死んだ人を直視なんて、二度としたくないけど。次やったら、私死ぬかも」
ちょっと後悔してるような素振り。
死んだ人の目の奥を覗き込むことなんで、俺にはできない。
そしてこう言った。
友人「何が見えたかは言えない。正確に言うと、覚えてない。きっと覚えていてはいけないことだったと思う。生きている人間が知ってはいけないこと。生きている世界にある言葉では、表現できないことだと思う」

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