殿堂入り怖い話
リアル

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正確には、赤い線を作っていた発疹には膿が溜まっていて、まるで特大のニキビがひしめき合っているようだった。
そのほとんどが膿を滲ませていて、あまりにおぞましくて気持ちが悪くなりその場で吐いた。
真水で首を洗い、軟膏を母から借り、塗り、泣きながら布団に戻った。 何も考えられなかった。唯一つ「何で俺なんだ」って憤りだけだった。

泣きつかれた頃、携帯がなった。○○からだった。
こういう時、ほんの僅かでも、希望って物凄いエネルギーになるぞ? 正直、こんなに嬉しい着信はなかった。
俺「もしもし」
○○「おぉ~!大丈夫~!?」
俺「ぃや…大丈夫な訳ねーだろ…」
○○「ぁー、やっぱヤバい?」
俺「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」
○○「ぅん」
○○「地元の友達に聞いてみたんだけどさ~、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない。」
俺「ぁー、で?」

正直、○○なりに色々してくれたとは思うがこの時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、かなり自己中な話し方に聞こえただろう。

○○「いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。紹介してもいいんだけど金かかるって…」
俺「!? 金とんの?」
○○「うん、みたい…。どーする?」
俺「どんくらい?」
○○「知り合いの話だととりあえず五十万くらいらしい…」
俺「五十万~!?」

当時の俺からすると働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。 選択肢は無かった。

俺「…分かった。いつ紹介してくれる?」
○○「その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるからちょっと待ってて。」

話が前後するが、俺が仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返していた時、母は祖母に電話をかけていた。
祖母からすぐにS先生に相談が行き(相談と言うよりも助けて下さいってお願いだったらしいが)、最終的にはS先生がいらしてくれる事になっていた。

ただし、S先生もご多忙だし何より高齢だ。こっちに来れるのは三週間先に決まった。
つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと気持ちが落ち着かなかった。

○○が電話を折り返してきたのは夜11時を過ぎた頃だった。

○○「待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって。」
俺「明日?」
○○「ほら、明日日曜じゃん?」

そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。不思議と会社の事を忘れてたな。

俺「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」
○○「家まで行くって。車で行くらしいから住所メールしといて」
俺「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」
○○「行く行く」
俺「金、後でも大丈夫かな?」
○○「多分大丈夫じゃね?」
俺「分かった。近くまで来たら電話して」

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