洒落怖
ママ友

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むしろ実話でないと信じたい。

妊娠した妻が定期健診のため、とある産婦人科に通って数ヶ月のことだった。
ホスピタリティを重視してのことか、
マタニティ専用の部屋というか、共有ルームみたいなものを設置していた。
総合病院だったため、設備に余裕があったからだと思う。
妻はそこで妊娠を控えた女性と共に、いろんな話を共有するのが日課になっていた。
いわゆるママ友みたいなものなんだろう。
俺も食事のときに、そこで話されたことをいろいろ聞かされていた。

ある日、妙な話をし始めた。
今思い出しても奇妙な話だ。
どこのコミュニティにも仕切り屋というかリーダーのような人物がいるものだが、
俺の妻のママ友たちの中にも例に漏れずそういう女性がいた。
自分磨きや女性らしさの追求を述べるこの女性は、
外見だけでなく内面も洗練するべきとの考えから
デカルトではなくユング的発想、つまりはオカルトのようなことに凝りだしたそうだ。、
簡単な占いからはじまり、霊的な癒し、果ては黒魔術チックな呪術と話しだす彼女に対し、
妻は一線を画すよう心がけていたらしい。

オカルトについては私も少し興味をもっていたことから、
興味本位で黒魔術について問いただしたことがあったが、
猫の死骸や害虫の収集などの話がなされたことから、打ち切りをお願いしたことを覚えている。

267 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/10/26(日) 20:48:22.67 ID:VoqOfa0z0.net
話を戻す。
そのリーダーは、身籠る子供の先天的可能性について述べはじめた。
要は、子供の将来は生まれた瞬間から決まっているという話で、
その運命を最高のものにできる秘術があるということだった。
呪術や秘術なんて胡散臭いものに興味をもつママ友は誰ひとりいなかったそうだが、
生まれてくる子供たちの将来については、祝福されたいという思うのは当たり前のことだったみたいだ。
よくわからない話(妻も聞き流していたことから詳細は覚えていないらしい)が続けられた後、
一人のママ友がこう言った。
「うちの子供の運命は今以上に良くなるの?」

私の言う通りにすれば良くなるわよ。それにはみんなの協力が不可欠だけど。
●●●●様を呼びだすの。
●●●●様は運命の神様。神様に選ばれた子供は皆素晴らしい人生を送ることになるわ。
もちろん呼びだすのは並大抵の苦労じゃない。
選ばれるのはそれ以上の苦労を要するわ。
でも、その見返りは私たちを最上の喜びへといざなう。
だからみんなで協力し合いましょう。●●●●様の加護のもと。

妻はその話を聞く中で頭がクラクラしてきたらしい。
ちょうど診察順が近づいていたこともあり、先に抜け出してきたそうだ。
後ろを振り返ると、数人のママ友がリーダー格の女性の話に対し
身を乗り出して聞いていたそうだ。
気持ち悪いでしょう??と、その日の夕ご飯を食べながら、妻は俺に話しかけてきた。
夜遅くまで残業をしていた日に起きていてくれてまで、話してくれたことだったから
俺は強く記憶に残っていた。

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