この怖い話は約 3 分で読めます。
よく温泉地などで地面から湯気が立ち上っていますが、丁度あんな感じです。
67:夕紅@\(^o^)/:2015/03/07(土) 13:25:01.31 ID:lDkDEecP0.net[3/4]
私は、最初は湯気かと思いました。
ですが、その湯気は消えたり空へ昇ることはなく丁度私達より首一つ分位高い位置まで昇ると、徐々に人の形になったのです。紫と桃色を混ぜた様な肌の色で、頭には毛髪はなく、がりがりに痩せて、薄い緑色に紫を混ぜた様な色の病院の入院服を着た老人の姿になりました。
老人には眼窩はあるのですが目はなく、真っ暗な空洞が二つあるだけでした。
そして、何事かを私達に訴えかけるかの様に口をパクパクと動かしているのですが、口から漏れるのは「おおお・・・」の様な不気味なうめき声だけで、全く声にはなっていませんでした。
完全にパニックになった私は、まだ笑っている友人を引っ張り走りました。
ですが、進む先の地面からどんどんと湯気の様なものが湧き出し、それが全てその老人の姿になっていくのです。
半狂乱になった私は悲鳴をあげながら走りましたが、ついに囲まれました。
殺される!!連れていかれる!!!
そう思った瞬間。
68:夕紅@\(^o^)/:2015/03/07(土) 13:26:53.73 ID:lDkDEecP0.net[4/4]
「君達、そこで何してるの?」
巡回のおまわりさんでした。
「え・・・・・?」
おまわりさんにはこの化け物が見えていないのだろうか。
そう思って見回したのですが・・・・そこには来た時と同じ様にだだっ広い雑草に覆われた空き地が広がるだけで、老人達の姿はありませんでした。
「完成した住宅に忍び込んだり、悪戯が多いから困るんだよねぇ。」
おまわりさんには、私と友人は完成した住宅に忍び込んで悪さをしようとした悪がきとして厳重注意を受けてしまいましたが、恐ろしい化け物から救ってくれたおまわりさんは、私には神に見えました。
そして、友人はというと、おまわりさんに声をかけられた瞬間、まるで操り人形の糸が切れた様に倒れこみ、昏倒してしまいました。
その後、私達は夜遊びをしたということで両親にこっぴどく叱られ、当分夜の外出が禁止となりました。勿論、あの空き地にはいっていません。
後日友人にあの時の事を尋ねてみると、あの時の記憶が全てすっぽりとなく、空き地に誘った覚えすらもないそうでした。
私が見た老人は誰だったのか。何故、あんな場所にいたのか。気にはなりますが、関わってはいけない気がしています。
それに、もう、二度とあんな思いは御免だ、とも。
ちなみに、5年以上経っていますがそこは空き地のままです。
おまわりさんには、~厳重注意を受けてしまいましたが
友人はというと、おまわりさんに声をかけられた瞬間~昏倒してしまいました。