洒落怖

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多分6月頃だったと思います。
Aちゃんが「儀式に使えそうな良いものを手に入れた」と言って自分にそれを見せました。
最初、イモリやカエルなどよりもランクアップしたネズミだとか蛇かと思っていましたけど、
それを見た時はさすがの私も驚きました。

人間の手です。
それは泥にまみれていて、ほんの少し前までは本体と繋がっていたと思われるほど、
色鮮やかだったと記憶しています。ピンクと白?の肉が切断面の手の皮を押しのけて飛び出ていました。
それは自分がイメージしていた人間の切断された手と違ってたと記憶しています。
どこで手に入れたのかと聞けば、拾ったと答えるだけでした。
Aちゃんはそれを儀式に使うかなりレベルの高い物として、
多分図工かなにかで作った簡単なカギ付きの木箱に保存しました。

27 本当にあった怖い名無し 2008/09/13(土) 19:51:07 ID:lRFuaR980

その日の夜、親が食事の時に、
近所に住むお婆さんが田んぼで作業中に機械に巻き込まれて亡くなったという話をしました。
機械に巻き込まれた際に身体の一部が千切れて、手だけ見つかっていないという話です。
さすがに馬鹿だった自分でも、Aちゃんが持っていた手とおばあさんの手が紐付きました。
が、親にはそれは言えませんでした。

当時、親に近所の廃材置き場で遊ぶことについて酷く怒られていたので、
それでまた怒られるのを避ける為です。

翌日、Aちゃんにその事を話したのですが、
貴重な儀式の材料を取られてはたまらないと、猛反発です。
しまいには、それを奪おうものなら全ての力を振り絞って呪い殺すと脅されたのが印象に残っています。

翌日、Aちゃんが手が無くなったと大騒ぎをしていました。
私が手を取ったのじゃないかと疑い、私の家の中も探して周っていました。
Aちゃんが鍵を閉めた例の木箱は秘密基地の中に置いていたのですが、
木箱には開けた形跡が無く、それはそこから消えてなくなっていました。

その時私は、多分たぬきか犬が取っていったのだろう、とAちゃんに説明したと覚えています。
まぁ、カギ付きの木箱をこじ開けて元に戻す器用なカギ持ち犬などが居ればの話ですが…。
当時、自分の祖父が飼っていた鶏が犬に食われた事件があって、
その鶏は羽だけ残して消えていたので、器用に鶏小屋をこじあける印象があったのです。
29 本当にあった怖い名無し 2008/09/13(土) 19:52:27 ID:lRFuaR980

それから5年後ぐらい絶ちまして、
Aちゃんと自分はもうそれほど一緒に遊ぶことは無くなっていました。
お互いに性別を意識し始めたからでしょうか。ただ好きとかの感情ではなく、
男と女が一緒に遊ぶのは変という理由だったと思います。
自分は遠く離れているクラスメート達の家にいって遊んだりしていました。

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