洒落怖
ついてくる女

この怖い話は約 2 分で読めます。

あの女がいた。

水面から上半身を出した状態で、目を見開き、こっちを見上げている。

そして目が合った。
その瞬間、女はニヤリと微笑んだ気がした。

その時Aは思ったらしい。騙された。罠にはまった。と。
きっと、あの女は認識したに違いない。「見えている」と。
やはりMにはあの女が見えないようで、水面を見回しながら、さっきの音の主を探し続けている。
Aは「Mは本当に見えないのか?」と半切れ気味に問いかける。
Aの剣幕に、何も見えないMも怯え始めた。
水面に目線を戻すと、あの女は、まだこっちを見上げていた。
女の体が少しだけ浮いた気がした。ふわっと。
その瞬間Aは、Mの手首を握って、死に物狂いで車まで走った。
女がふわっと浮いた瞬間、「来る」と思ったらしい。
それからドリフト族の如し山を下り、少しでも人の多い場所を求めて車を飛ばした。

377 4 sage 2009/09/08(火) 19:49:57 ID:PG+tx3z6O
Aはそれ以来、心霊スポット巡りをしていないみたいだが、夜の海やプールはトラウマになり、気配を感じる時は、風呂にも入れないらしい。

この怖い話にコメントする

ついてくる女
関連ワード