洒落怖

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ぶうん。
音がして、また踊り場に影が映った。影はくるりと反転する。
その時思った。私がいるのは二階だった。影は三回目のくるりをした。
直感的に、それといま同じところにわたしはいる、そう思った。
たんたんたん。影が降りてくる。
友達は走ってくれない。やがて、
(追いつかれる!)
そう思って、友達の手を離して、階段を飛び降りることにした。
瞬間、ぞくっと、心臓が大きく跳ねるような悪寒がした。
「きゃっ!」
どたん!と着地して、横を見ると、友達もいる。
さっきの声は、彼女からだった。何故か私と一緒に彼女も飛んだのだ。
「いま、ぞくっとしなかった?」
「した!」
彼女になんといえばいいのかわからなくて、でも彼女もこわいね、暗いよね。
といい、走って帰った。

841 自治スレでローカルルール他を議論中 New! 2010/10/20(水) 21:32:04 ID:pDG8Z0nk0
後になって思い出すとき、この体験の奇妙な点をいつも思う。
ひとつめは、何度も踊り場を反転する影のこと。
二つ目は、その影自体。
廊下側に接している窓から強い光が入り、影が映る。廊下に立ってる私の影が映る。
これは説明がつく。
でも、なんでくるりと反転する影が映ったんだろう。
車が通り過ぎていくと、影の映る位置も変化する。
光は、移動していくから、影も移動して、定点にいても、伸び縮みする。
窓際にいないと、影は映らない。
光とともに移動するあの影はなんだったんだろうと思う。

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