寺・神社
相反する神社

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夢から醒めて目を開けて、体も起こしたけれど、視界が夢の片鱗を残している。
体から力が抜けて、すぐにでも気絶しそうだった。気合と根性で肉体の感覚を現実に引き戻そうとして
私は、鞄の中の携帯電話を取り出した。
その間もざわざわざわと聞こえない気配と音が、私を飲み込もうとしているように感じた。
じっさい、がっくがっくがっくがっくと、無理矢理金縛りを解いた影響か、全身が痙攣のように
震えて止まらなかった。

でも、そこで怯えて縮こまったら、事態が悪化すると思い。本能的な危機感から動いていた。
携帯を開いて、霊感のある友達の番号を引っ張り出す。その間も視界は何度も見えなくなる。
何とか電話をかけることが出来て、コール音を聞きながら、頼むから出てくれ!と祈った。
少し待って、友達が出た。

366 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/15(月) 01:04:32 ID:nwOELEO40
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「・・・うわ・・・どうしたん!?」
「ご・・ごめ・・・ちょ・・とぉ・・こあい・・ゆめ・・み・・れ・・」
未だに痙攣の様な震えも治まらず、呂律も上手く回らない。声が震えても居た。
「大丈夫!?話し聞くから、落ち着いて・・大丈夫!?」

友達の声に安心して張り詰めてたものが溶けて、私は声を上げて泣いた。
泣きながら、自分の意識を必死に保とうと何か色々話してた。友達はそれを聞いてくれた。
落ち着いてから、ちゃんと話そうと思ったときに、さっき見た恐ろしい夢の前に
もう一つ奇妙な夢を見ていた事を思い出した。

夢の中で私は葬儀屋で、顧客の家を訪問するという夢だった。夢の中で訪ねた家で、髪の長い女が
私を出迎えて、家の中に招かれるのだが、一歩玄関に入った途端。
何かやばい気がして、入ってはいけない気がして、女に適当な言い訳をして出ることにした。
「大事な書類を車に置きっぱなしにしてきてしまいました!すみません、すぐ取ってくるので
お待ちくださいね!!ほんとうに、間抜けですみません」
苦笑しながら和やかな雰囲気で話しを持って言ったのだが、
一歩玄関に踏み入れた足を外に向けたときに、手遅れだったと気付く。
両足に先ほどまで私の対応をしていた女の長い髪の毛と首が巻きついていた。
それを思い出したときに、夢の遊女とその女が同一だと感じた。

兎に角逃げなくては!
玄関から出たら、生首も髪の毛も消えていた。マンションの一室と言う場所だった。二階の。
マンションから下りる階段が消えていた。何とか逃げなくてはと廊下から見える外に目を凝らしたら
こちらに背を向けて何か作業している男がいた。
恰幅のいい男だった。黙々と何かをしているが何をしているのかわからない。
その男に声をかけて、場の流れを変えようとおもった・・・・が。いざ口を開けて声を出そうとすると。
「気付かれるな!!!!」
という意識が起きた。

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