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145 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/02(水) 02:13:13.47 ID:cR/+zz1y0
昔通ってた小学校の七不思議のひとつに、『○○スーパーの横の赤いドラム缶』っていうのがあった。
学校からは二百メートルくらい離れているけど、なぜか小学校の七不思議の一つになってた。
内容としては、
・○○スーパーの横にある赤いドラム缶は、もともと青かった。だけど血で赤くなった
・ドラム缶の上に水が赤い水が溜まる
・上に爺さんが座っているのを見たら、逃げないと捕まえられる
というものだった。
それでも隠された場所にあるわけでもなく、歩道に若干はみ出して置かれているので、
いつでも誰でも見ようと思えば見れる。特に気にはしていなかった。
ところがある日、クラスメイトのAが、「たまってた」と言い出した。
「学校来るとき見たの、ドラム缶に水が溜まってた。赤い水が」
雨水が溜まったんじゃないかなと思ったけど、今朝も昨日も雨は降っていない。
そもそも学校行くときに通る道なので、ドラム缶なら私も見た。
「水なんて溜まってなかったよ」
「見間違いかなあ…」
ちょうど水が溜まるところはさびていて、普通の水が溜まっていても赤っぽく見える。
きっと見間違えたんだろうとなった。
それでも放課後になればやはり気になってきて、Aと私で見に行くことにした。
怖いね、本当に赤かったらどうしようね、なんて言いながら○○スーパー横についた。
壁と壁の隙間から三分の一ほどは道にはみ出しているドラム缶はやっぱり赤い。
「水なんて溜まってないよ」
ドラム缶の上に、水は溜まってない。サビが浮いた面が見えるだけ。
なあんだ、というのと、よかった、というのが半々な気持ちだったけど、やっぱりどこかほっとした。
146 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/02(水) 02:14:16.24 ID:cR/+zz1y
何もないことはわかったけど、薄気味悪いというのがあって、さっさと帰ろうと背を向けた。
数歩ほど歩いたあたりで、背後でAが突然「あーッ!」と大きな声をあげた。
振り向くと、Aがドラム缶の方を向いたまま、じりじりとこちらへと後ずさりしている。
どうしたの、と言いかけて私の動きが止まった。
さっきまで確かに乾いていて、水など一滴もなかったドラム缶の面から、ぱたぱたと水滴が落ちている。
そんなわけない、水は確かに無かったのに。
恐る恐る近づいた。
「ひ…」
壁と壁の隙間、間近に立たないと死角になるような狭い場所に、人がいた。
ガリガリに痩せこけて、ボロ布を纏った老人。
脚を左右に広げてしゃがみこんで、脚の間に手をだらりと下げている。
枯れ木のように細い手首には、ざっくりと横に切ったような傷が無数にあり、
そこからびちゃびちゃとどす黒いものがこぼれていた。
「きゃあああ!」
「わああああああ!」
咄嗟に悲鳴を上げて走り出した。
ドラム缶の面から落ちていた水は、あの腕からこぼれた血だった。
必死になって走りながら、追ってきてるんじゃないかと気が気じゃなくて、振り向いた。
ぶしゃっぶしゃっと手首のあたりから血を噴きだし、
左右に腕をぶらぶらと振りながら老人が追いかけてくるのが見えた。
明らかに異様な風体で、ましてや流血しながら走ってくる。
それなのに、街中にいる人は誰も気付いてない。
走って走って、体育の授業でもこんなに頑張ったことないと思うくらい走った。
大通りに出たとたん、パパッとクラクションの音がして、目の前に車が止まった。
退社中の母だった。
真っ青になってるAと一緒に車に乗って、早く逃げて!と絶叫した。