洒落怖
洒落怖 >
写真
この怖い話は約 2 分で読めます。
さらに数ヵ月後、その空き家は不審火で焼け落ちた。
出版社ってのは、送ったものを律義に送り返すものなのか。
写真は本物の心霊写真だったのか。
火事と写真にどれだけの因果関係があるのか。
嫁はそんなことを言って首をかしげていた。
そして、最近霊感の強い友人にこのことを話したところ、こんな返答があったらしい。
「その女はなんの力もなく、ただそこに『居た』だけだったのに。
写真がエネルギーを紙に焼き付けるとまで分かっていたなら、
なぜそれを焼き増ししようなんて思ったのか。
何も手を出さなければ、その女は永遠に無力でそこに『居る』だけの存在だっただろうに。」
蛇足だけど、廃墟の火事の少し後、サークルの人がその家のことを調べたそうだ。
元々その空き家に住んでいたのは年配の夫婦で、
独立して家を出た娘さんを火事で亡くした後、引っ越していったのだそうだ。
1 2