後味の悪い話
赤ん坊

この怖い話は約 3 分で読めます。

347 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/14(月) 12:07:25.19 ID:iWjJRAmBP
四人の食卓は既出?うろ覚えだけど

結婚目前に控えた主人公が仕事終わりの深夜のガラガラの電車の中で菓子を頬張る小さな姉弟連れの母親を見かける。

ふと寝入って終着駅に飛び降りると、降りた電車の中に母親は無く姉弟は眠っているのか座席に座ったまま、電車は車庫に入っていく。

次の日の新聞で、2人の子どもは母親に毒入りの菓子を食べさせられ死んでいた事が分かる。

その日から主人公が家に帰ると、リビングにあの日見た子供の遺体が座っている幻覚を見るようになり、不可解な悪夢や幻覚(子供が死ぬシーンや排水溝に子供の小さな手だけが見える)に悩み心療内科に通う

そこで1人のナルコレプシーを患っている女性に出会い、介抱するのだが、彼女が主人公の家から出て行く時
「お子さん風邪ひきますよ」
と呟いた。
主人公は幻覚だと思っていた(婚約者には見えない)子供の事を気がついたその女に驚愕の顔を向けると、女はハッとした顔になり逃げてしまう。

なぜ彼女にだけ見えたのか、男は女のことを調べ始める。

349 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/14(月) 12:27:24.90 ID:iWjJRAmBP
女の病気の原因は同じマンションで猫を飼っていた女の自殺を目撃した事から始まっていた。
自殺して落下していく隣人と目が合ったと言うのだ。そんなことがあるのだろうか。

主人公は女に益々興味を持ち、自分の幻覚の原因が分かるのではないかと近づく。
同時に、自分の過去が曖昧な点にも気がついていく。

女は知らない方が良い事がある、と男を牽制するが、男はなおも食い下がる。
実は女には特殊な能力があり、人の無意識下のトラウマや過去が透視できるのだった。

過去に産後ノイローゼの友人に同調し見てしまった事を話たことがある。彼女は授乳する時、赤ん坊に乳房を食いちぎられるのではないかという強迫観念があった。
一緒に病院に付き添い、MRIを受診する友人を見ていると、友人が急に暴れだした。
その時、女に見えたのは、暗い土管の中で母親の屍肉を喰らいながら生きる赤ん坊だった。
友人は母親を喰らい生きながらえた孤児だった。
どうしてもと言う友人に、女は見たものを話してしまう。

357 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/14(月) 12:41:23.73 ID:iWjJRAmBP
友人は気が狂い、女の目の離した隙に自分の赤ん坊と女の赤ん坊をベランダから落とし殺した。

「あなたはそれでも本当の事が知りたい?」と女は言った。

敬虔なカトリックの神父を父親だと信じていた男の本当の過去は、貧民街の虐待児であった。
ダンプカーに子供が轢かれ排水溝に棄てられるような貧民街に住んでいたのだ。
ある日、アル中の父親と一緒に心中しようと練炭自殺を図った。
その際、子供ながらの発想で、小さな妹だけは助かるようにと、鍵を掛けた箪笥の中に妹を隠した。
しかし、練炭は火事を起こし、父親と、逃げることのできない妹は黒焦げになって、自分だけ助かったのだった。
男の脳裏には全ての幻覚の原因であるその映像が整理され再生された。

この怖い話にコメントする

赤ん坊